倒理がもう3日も帰って来ない。
仕事の依頼の調査があるから、しばらく留守にすると言って出て行ったまま。
寂しいし、不安だし、眠れないし食欲も無い。こんなに心配してる僕の気持ちなんて、倒理には分からないだろうね。
僕の気持ちだけが、倒理のほうを向いているんだから。
薬子ちゃんの話は延々と続いて、終わりそうに無い。水を得た魚のようだ。心なしか嬉しそうに見えるのは何故だ…。
バタン
扉の音がする。
僕は急いで玄関に向かう。
僕は倒理に駆け寄って抱きついた。
僕の目から涙がつたう。
グイッ
倒理の両手が僕の顔を包んで、引き寄せる。
言いかけた僕の言葉を塞ぐように、倒理の唇が
重なる。
チュッ…クチュ、ちゅっ
倒理の舌が、僕の舌に激しく絡まる。
僕を攻めるイヤラシイ音が、この部屋に響き渡る。
強引なキスに、息ができない。その苦しさも、段々と快感に変わる。
朦朧とした意識の中でも、倒理の動きに応えようと僕は必死になっていた。
最後に軽くキスをして、倒理は唇を離した。
僕は呆然と倒理を見つめる。
僕の目から、また涙がつたう。
チュッ
僕の唇に、優しく触れる。
しばらく、二人は抱きしめ合った。
そんな二人の姿を、ドアの隙間から家政婦は見…ていなかった。
さっき氷雨と話している時に浮かんだ妄想プロットの書き起こし作業に没頭していたのだった。
終












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。