第111話

90. 報告
320
2025/09/25 14:46 更新
歩二魁斗
 お前は良いよなァ!? 
 
歩二魁斗
 かっこよくて? 
歩二魁斗
 強くて? 
歩二魁斗
 イギリス育ちで金持ちで? 
歩二魁斗
 しかも強い意志があってェ!? 
 
歩二魁斗
 …お前なんかに…… 
歩二魁斗
 お前なんかに、おれの気持ちが 
 分かるか!!バァァァァァァカッ!! 
あなた
 ……、  
 

私は2人に対して、何も言うことが出来なかった。

魁斗くんの言いたい事も
ルカの言いたい事も理解できる

でも私は2人じゃないし、2人にはなれない。

なにより、私が首を突っ込んで
良いような話ではない気がしたのだ。

特待生
 もう、その辺にしましょう… 
あなた
 ……! 
ルーカス・エラント
 …すまない 
歩二魁斗
 …ご、ごめん 
 
歩二魁斗
 …やめよやめよ! 
歩二魁斗
 おれ、弱くてごめんね? 
 もうルカの邪魔しねえからさ 
あなた
 え、ちょ… 
ルーカス・エラント
 違う、そういう事じゃないんだ。  
 俺はまた……いつもこうだ、
 

おかしな方向に結果が纏められてしまった気がして
私はどうしたら良いんだと、頭を悩ませた。

??
 おや、おや。  
??
 報告が遅いと思えば
 仲良く寄り道ですか? 
 

背後から聞こえた声に振り向けば
私たちの間から流れる空気をものともしない
笑み浮かべた塔真先輩が立っていた。

磴塔真
 ……悪魔は見つかりましたか? 
ルーカス・エラント
 …いえ。それどころか 
 任務に失敗しました
磴塔真
 …ほう。  
ルーカス・エラント
 屋敷に怪異が現れ
 討伐できず取り逃しました 
 

ルカは、一切の嘘をつかずに
真剣な顔付きで結果を塔真先輩に話していた

ルーカス・エラント
 不甲斐ない結果となり 
 申し訳ありません
 

塔真先輩に対してルカは深々と頭を下げ
私もそれにつられ、特待生ちゃんと共に頭を下げる。

歩二魁斗
 ……っ、  
磴塔真
 遭遇した怪異のランクは? 
ルーカス・エラント
 恐らく、「B級怪異」です 
磴塔真
 よろしい。頭を上げて下さい 
 

私が不真面目なだけかもしれないが
普段なら、先輩と言えどこの態度に対し
悪態をついていただろう。

だが今は、そんな気には到底なれなかった

磴塔真
 現状の安全確認はこちらで行います 
 君たちは自室に戻るように
ルーカス・エラント
 …磴さん! 
 

寮舎の外へ向かおうとした
塔真先輩をルカは引き留める。

磴塔真
 …まだ何か? 
 

しかし、彼は足を止めたものの
こちらに振り返ることは無かった。

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