バゴッ!!
「ッッッ!!」
「何だよお前!!」
「俺はお前になッ!?」
「それを行っただけッ、だろ!」
「うわ!?」
「なん..だよ..」
「は...?」
「ッ!!?」
俺には両親がいない。
居なくなったのは俺の所為だ
だから、親がいない事を言われると
すぐに手が出てしまう..だけどそんな時は
この二人が駆けつけてくれる
暴れまくる俺を止めてくれる
両親はずっと仲が良かった
俺が反抗期でグレた時も
ずっと話しかけてくれて....
だけど、出かけた帰り
居眠り運転の車が道路に突っ込んで来て
二人は俺を庇って死んだ
嫌いだったんだろ?内心嫌な子って思ってたんだろ?
なんで庇ったんだよ..
それからずっと引きずって生きてきた
線香を焚いて手を合わせる
これが一番両親と話せる気がするから
昔からずっと引きずる性格だから
だから今もずっと死にたい..なんて思う
そう両親に言って
鞄の中に入ってるカッターを取り出して墓場から出た
ジャリ...
止められるじゃんか....絶対
不思議な人だった
普通の人間であれば止めて
話を聞くんじゃないかって
じゃあもしかして...
そういってそのまま立ち去ってしまった
刃先を首に向ける
木々に囲まれる中、
ただ夏の匂いだけが俺に当たる
一思いに刺せばいいのに...
パシッ!!
ギュッ
大事な人にはいなくなって欲しくない。
これ以上大事な人は失いたくない
失う前に、出来る事をしよう
両親だって俺があっちへ行く事なんて
望んでないのかもしれない
だったら俺の寿命が尽きるまで
この大事な人と大切な人達と一緒にいよう
もう何も失わないように..
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。