第16話

失う前に
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2024/04/06 19:08
バゴッ!!

「ッッッ!!」
秋斗
秋斗
......
「何だよお前!!」
秋斗
秋斗
....
「俺はお前になッ!?」
秋斗
秋斗
"親がいない"からなんだよ?
「それを行っただけッ、だろ!」
秋斗
秋斗
それが俺を苛立たせてんだって
気付けよカスが..
「うわ!?」
夏目
夏目
秋斗待って!!ギュッ
秋斗
秋斗
...なんで..
春馬
春馬
お前はやりすぎ、一回落ち着け..
秋斗
秋斗
落ち着いて..られるか..
夏目
夏目
秋斗、ちょっとそこで待っててもらえますか?
秋斗
秋斗
夏目
夏目
あの!
「なん..だよ..」
夏目
夏目
そういうの、あんま言わない方がいいですよ
夏目
夏目
特に秋斗はそれに苦しめられてるんですから.
「は...?」
夏目
夏目
次言ったら...お前二度と動けない体に
してやるからなボソッ
「ッ!!?」
夏目
夏目
てことで、お願いしますね!ニコッ
秋斗
秋斗
......
春馬
春馬
お前ヤベェな..ww
夏目
夏目
え?w
俺には両親がいない。

居なくなったのは俺の所為だ

だから、親がいない事を言われると

すぐに手が出てしまう..だけどそんな時は
春馬
春馬
飯食いに行こうぜー
夏目
夏目
えー..俺ら今学校飛び出してるんだよ?
春馬
春馬
不良は学校なんて知りませーん
ほら秋斗も行こうぜ
夏目
夏目
まぁ..良いかたまには
この二人が駆けつけてくれる

暴れまくる俺を止めてくれる

両親はずっと仲が良かった

俺が反抗期でグレた時も

ずっと話しかけてくれて....

































だけど、出かけた帰り

居眠り運転の車が道路に突っ込んで来て

二人は俺を庇って死んだ

嫌いだったんだろ?内心嫌な子って思ってたんだろ?

なんで庇ったんだよ..

それからずっと引きずって生きてきた
秋斗
秋斗
...俺さ、今日墓参り行って来る
春馬
春馬
そうか、気を付けろよ
夏目
夏目
気を付けなよー
秋斗
秋斗
おう
夏目
夏目
秋斗いないからご飯無しね、
學校戻ろう
春馬
春馬
はぁ~?ヤダよ!
だからお前不良になれねぇんだって
夏目
夏目
うるさいな黙れや
春馬
春馬
おぉこわ..

































































秋斗
秋斗
......
線香を焚いて手を合わせる

これが一番両親と話せる気がするから
秋斗
秋斗
(まだ..全然いい子にはなれないや
昔からずっと引きずる性格だから

だから今もずっと死にたい..なんて思う
秋斗
秋斗
(もう逝くから..
逝って謝るから..4年前の事..
そう両親に言って

鞄の中に入ってるカッターを取り出して墓場から出た





















































秋斗
秋斗
(ごめんなさい...俺がもう少しいい子だったら
お母さんたちは死なずに済んだのにね..
ジャリ...
秋斗
秋斗
ッ!!?
修司
修司
あ。
秋斗
秋斗
え..?
修司
修司
す、すいません
墓参り行こうと思って通ろうとしただけなんす
って...死のうとしてるんですか?
秋斗
秋斗
......は、はい..(何素直に答えてんだよ俺
止められるじゃんか....絶対
修司
修司
あ、そうなんすね
よりごめんなさいですわ
すいません邪魔して
秋斗
秋斗
え?
修司
修司
秋斗
秋斗
と、止めないんですか?
修司
修司
なんで止めないといけないんですか?
秋斗
秋斗
は..ぇ?
修司
修司
死のうが生きようが
俺に関係ないですし。
秋斗
秋斗
......
不思議な人だった

普通の人間であれば止めて

話を聞くんじゃないかって
秋斗
秋斗
(まぁやりやすいから良いか
修司
修司
....一ついいですか?
死ぬ前に。
秋斗
秋斗
修司
修司
失うモノって連鎖するらしいですよ
秋斗
秋斗
どういう..?
修司
修司
言葉通りです
誰かを失えば失った相手も
自身を失う
秋斗
秋斗
じゃあもしかして...
修司
修司
失ったモノを追いかければ
また別の人がまた失う..そういう事です
秋斗
秋斗
......
修司
修司
じゃあ、俺はこれで失礼しますね
秋斗
秋斗
ま、待って!
修司
修司
秋斗
秋斗
なんで、自殺者を..
止めないんですか?
修司
修司
......自殺したいって気持ちは
分からなくもないからですね
修司
修司
でも厄介な事に、止める人間がいたもんで、
死ぬ事さえできなかったんですよ...それに
秋斗
秋斗
それに...?
修司
修司
俺と君、失ったモノが
似てるような気がしたから
秋斗
秋斗
........
修司
修司
そもそも死にたいって思ってる人に関しては
味方でも的でもないからね..勝手にしてって感じ
修司
修司
俺にも君みたいに光があればなぁ..
そういってそのまま立ち去ってしまった
秋斗
秋斗
......
刃先を首に向ける

木々に囲まれる中、

ただ夏の匂いだけが俺に当たる

一思いに刺せばいいのに...
秋斗
秋斗
ッ、(何で今更体が震えるんだよ
パシッ!!
秋斗
秋斗
千奈津
千奈津
な、何やってんのこんなとこで!!
秋斗
秋斗
あれ...千奈津..?
千奈津
千奈津
よ、良かった..あの人から連絡来た時
どうしようと思った
秋斗
秋斗
あの人..?
千奈津
千奈津
黒髪眼鏡の男の人!
秋斗
秋斗
......オッドアイの?
千奈津
千奈津
あ、そうそう
秋斗
秋斗
......(冷たい事言うクセに
千奈津
千奈津
駄目だよ?死んだら
秋斗
秋斗
....
修司
修司
『失うモノって連鎖するらしいですよ』
秋斗
秋斗
....(俺を失えば..今度は千奈津..が?
千奈津
千奈津
......
秋斗
秋斗
(そんなの駄目だ..
ギュッ
千奈津
千奈津
秋斗
秋斗
ごめんね、俺が馬鹿だったよ
千奈津
千奈津
ホント...その通りだよ
大事な人にはいなくなって欲しくない。

これ以上大事な人は失いたくない
夏目
夏目
あ"ー!!いたぁ!
春馬
春馬
テメェ俺ら置いて死のうとしたなぁ?!
ふざけんなよテメこら!!
秋斗
秋斗
いてぇ!!いてぇって!ww
楓音
楓音
あぁ..修司さんの言う通りここ居たんだ
秋斗
秋斗
(黒髪の人の名前か..
楓音
楓音
取り敢えず全員から5時間説教くらうと思っといて
秋斗
秋斗
え"ッ、
夏目
夏目
俺二時間!
秋斗
秋斗
え、えぇ!?
春馬
春馬
当たり前だろうが!!
秋斗
秋斗
すんません!!勘弁して下さい!
千奈津
千奈津
....もう絶対しないでね?
秋斗
秋斗
.......うん
失う前に、出来る事をしよう

両親だって俺があっちへ行く事なんて

望んでないのかもしれない

だったら俺の寿命が尽きるまで

この大事な人と大切な人達と一緒にいよう



















































もう何も失わないように..

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