さとみくんsaid
駅に入ると、大勢の人の声と共にもわっとした空気が入り込んできた。
いつもならあったかいと一息つけるそれも、今は痛みをつよめるだけだった。
ICカードがかばんにあることを確認してから、改札に向かう。
あれ。
やばい。
なんか、泣きそう。
今日のライブ、最高だったな。
まじで。
あったかくて、楽しくて。
輝いてて。
今思うと、いや、今思うからこそかもしれないけど、全部夢だったみたいだ。
俺がすとぷりのメンバーだということも、ぜんぶ。
いっそのこと、全部夢だったらいいのに。
そうしたら、この暖房が効いた駅内を、寒くて冷たいと思うことはなかっただろうに。
そんな事を考えていると、いつの間にかホームに着いていた。
目当ての電車を見つけて、中に乗り込む。
瞬間、腕をぐっと引かれた。
「さとみくんっっ!!」
・・・・えっ?












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。