彼の頭の中にはたくさんの言葉が駆け巡っていた
どうしてペンギンが撃たれたのか
なぜ彼は動いたのか
事故ではなかったはず
俺のせいだ
俺が脚をぶつけたから
大切な少女の死、そして頼れる先輩の死を目の前に彼は動けなくなってしまっていた
例え嘘であっても、限りない誠であっても
これは酷い夢だ
彼の精神はズタズタに切り裂かれていた
動けない
あと一歩が踏み出せない
♪だーるまさんがー
その音楽すら聞こえない程に彼には限界が来ていた
♪こーろん...
その音を耳が漸く通した時
彼の視界には青色のニット帽が広がっていた
諦めたかのようにこちらを向くグランドマスター
へら、と笑っている
それだけ言うともういいか、という風にキリンの頭が撃ち抜かれた
こうして、第2ゲームは2人の犠牲を負って僅か数分で終わらすことに成功した












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!