学校生活最後の秋、私の恋辞めます
少し風が吹いて、それが私に冷たく触れた
なぜ苦しそうなの?
そんな顔されたらまた好きになっちゃうじゃん
中学に入って、あなたに恋をして3年が経っていた
ずっと片想い
でも、もう辛いから、苦しいから
終わりにしようと思う
私は寂しくて、切なくて、トイレの個室で息を殺して泣いた
____翌日
朝、登校すると朝一に来てるはずの圭介が居ない
いっつも2人きりの朝だった
そりゃあ、気まずくなるから来ないよねぇ、、
朝のホームルームが始まっても圭介は来ない
そう思った時だった
びっくりしすぎて思わず立ち上がってしまった
先生は下を向いたままだった
それでも私の友達はものすごく励まして、笑わそうとしてくれた。
でも、この日を境に私は抜け殻のようになってしまった。
毎晩毎晩泣き続けた
圭介は暴走族に入っていて、ハロウィンの日にあった抗争で亡くなったらしい
___数ヶ月後
卒業式が終わった後、私は圭介の席に座っている
今でもほんのり圭介の匂いが残っている気がする
ガラガラガラ
と言って、先生は白い封筒を渡してきた
私はその封筒をじーっと見つめた
太陽が眩しかった。
ふと、太陽に圭介からの手紙をかざしてみた
一言だけはっきりと見えた
”俺もずっと大好きだった”
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。