♩ 愛染中毒
◇ 桃青
◇ 推し ⇆ オタク
◇ リアコ ・ ガチ恋
◇ 桃さん クズ
◇ 全体的に メンヘラ
◇ 青さん 女体化 要素 ほんとに 少しだけ 有
◇ 3000字弱 ( 長い ) あるので
ぜひ お時間ある時に お願いします ☁
現実逃避 、
日 の 入らない 部屋の 中で
くるまる お城 。
僅かに 寒くて 白い 息を 飲む 。
『 友情 』 ? 『 愛情 』 ? 『 恋情 』 ?
この 部屋で 唯一 光を 発する 板 の 画面上で
飛び交う 無感情論 。
ぼんやりと スマホの 画面を スクロール
しながら あくびを 噛み殺す 。
黒縁の 眼鏡が 視界に 入って 邪魔くさい 。
ネットなんて まともに やっている 奴らは
頭が おかしい 奴ら だ 。
とか言う 自分自身 、ネットに どっぷり
両足 どころか 全身 浸かっている ド変人 と
言えるだろう 。
指先で 画面 を タップする 音 と 呼吸音
だけが 微かに 鳴る 部屋で 。
______ 刹那 、
君 の 声 が 、
私の ナカ 感電 してった ____
そこから 、彼に 「 陶酔 」 して いった
自分の 生活は 大きく 壊れていった 。
ずっと 引き篭っていた ので 貯金は あるし
時間も ある 。
親にも ほぼ 見捨てられたような 物 なので
邪魔も ない 。
でも 、流石に いきなり 頻繁に
部屋を 出たり 荷物が 届いたり するのには
疑問を 持った様で 声を 掛けられたが 、
そんなのは どうでもいい 。
例え 自分が 「 本懐 」 していたとしても 、
そんな 偽善 の 「 救済 」 なんて 要らない 。
グッズやら 服やら メイク道具やら 、
たくさんの 物が 一日に 1回は 届くほどまで
に なるまで 、さして 時間は 掛からなかった 。
チェキ 、CD 、スパチャ 、雑誌 ……
たくさんの 、『 愛 』の 印 。
ネットで オタ垢 なるものを 作ったし 、
急速に フォロワーも 増えていっていた 。
でも 、求めてるのは こいつら じゃない 。
もっと 、もっと 、声を 時間を 。
添付された 自撮り 写真 、
端っこに 映りこんだ ピンク色の スカートの
裾の バッグ 。
よく 見ないと 、気づけない レベル 。
もちろん 、偶然かも しれないのは
分かってるし 、ないこくんには 全く
関係の ない 人かも しれないけど 。
呟いて 、胸の内に 湧く 感情に 苛立つ 。
日常 を 売る 仕事 、それが アイドル 。
所詮 アイドルなんて 嘘偽り で できたもの 。
「 オタク いっぱい 認知 してるよ 」
って 言葉 だったり 、
「 大好き 、ずっと 俺は 愛してる 」
って 言葉 だったり 。
思ってるわけ 、ない 。
だから 、もっともっと 可愛くなって
認知 されて 、愛さないと 。
______ 「 大好き 」 じゃもう 、 満たされない 。
いつも通り 、20分前から 配信待機 。
スマホに イヤホンを 繋げて 、ひとり ベッドの上で
ぼんやりと コメント欄を 眺める 。
仕方ないけど 、仕方ないのは 分かってるけど 。
私以上に 、彼を 愛してる人なんて いる訳
ないのに 。
画面が 付き 、ひらひらと 手を 振って
微笑む ないこくん 。
すぐさま コメントを 打ち込み 、
直後に スパチャを 投げる 。
1万 7千円 、かなり 高い 金額 。
すぐさま 反応を 返してくれたことに
膨大な 喜びを 感じる 。
いつも通りの 調子で 、配信を 終えて
画面が 黒くなる 。
画録を 切って 、あとは 彼の エゴサ 。
ないこくんが 炎上したのは 、その 2日後 だった 。
いつも通り ネットを 弄っていたら 、
TL に 流れてきた 投稿 。
添付された 画像 、そこには これまでの
日常投稿 と 上げられた 写真の 一部 。
彼が 選ばなそうな 白色の ブレスレット 、
ネックレス 、スカートの 裾 、バッグの 肩紐 、靴 。
FF なども 見てみると 、担降り 続出 。
そのあと 更には 、相手の 女だと 思われる
奴と ないこくん を 街中で 見かけたと
いう アカウントからの 証拠盗撮写真 。
女と 中睦まじげに 歩く ないこくん の
写真が 、数枚 。
それで 女持ちは 確定とされ 、
アイドル界では 彼女なんて 許さない 掟から
彼は 数え切れない バッシング を 受けた 。
でも 、 大好き なんだもん 。
彼からの 愛が 欲しい 。 他は 見ないで欲しい 。
欲張り ? だけど 強がり ?
だけど 、 『 ダイスキ 』 なんだもん 。
何より 、誰より 、大切 だった 偶像 。
ネットでは 絶えぬ 怨嗟 、止まぬ 連鎖 。
『 愛情 』 ? も『 恋情 』 ? も
『 炎上 』 ? も 全部 。
___ 写真を 眺めながら 、思う 。
許せない 、だけど 、
許せない … だけど 。
やっぱり 、
________ 君に 染まるの 、さらけ出して 。
呟いて 、目の前の 偶像 を 見つめる 。
最前列 、右寄り の 席 。
スピーカー に 片足を 乗せて
マイクを 通して 声を 響かせる 君 。
会場 真ん中の方 、自分とは 全く 違う方向 。
指を 指して 笑う 君 。
やっぱり 、他の子を 見るの ?
私は ここに 居るのに 。
人生の 、クライマックス を 全部
君に あげるのに 。
「 あなた だけの お姫様 なの 」 、
こんな 言葉じゃ 足りない 、こんな 愛じゃ 。
_____ ふと 、ないこくん が
目線だけを こちらに やる 。
ばちっ と 視線が 交わったような 気がする 。
そこで 、彼は アンコール 曲 の 最後の
歌詞を 舌に 乗せた 。
私と 目が 合ったまま 、
差し伸べるように 片手を 差し出して 。
ホテルの ワンルーム 、ベッドに 脱力して
横たわる 。
今日の ライブを 思い出して 、口角が 上がっていく 。
初めての 、確定ファンサ 。
起き上がって 、スマホを 触る 。
「 ドア開けてー 」 と メッセージが
届いているのを 確認して 、立ち上がって
ドアロックを 解除して 開いた 。
「 ありがと 」 と 呟いて 部屋に 入っていく 彼 。
________ やっぱり 、 それじゃ 足りない 。
君 の 「 愛 」 に 「 染 」 まって 、
「 中毒 」 に なっていく 。
あくまで 繋がってたいの ____ ♡
余談
ライブの シーンは 炎上 が 収まって 、
暫く 経ってからです 。
その間 ずっと 桃さんを 推し続けて
ネットに それを 発信 し続けていた 青さんが
桃さんの 目に 止まりました 。
以前の 女の子は 炎上を きっかけに 、
捨てられたのかも しれませんね 。
桃さん クズ設定 すぎて 申し訳ない …
ほんとに ごめんなさい 😭
かなり 頑張ったので
よければ 感想 ください 🙌🏻💘
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!