……何とか逃げてこれた……
とりあえず、総統をソファに寝かせて、私は書斎に来ていた
……数年前に親兄弟は流行り病で亡くなってしまったので私たち以外には誰も居ない
小さい頃に都市伝説の本で読んだことがあった
……ただの都市伝説の可能性もあるが……やってみる価値はあるだろう
そこには古ぼけたひとつの本があった……
やり方は結構難しく、倒れた人の血で魔法陣をかいて
真ん中に寝かせて
呪文を唱えるらしい
……問題は、死者を蘇生できても、その人の知能が無くなる……
つまり、話す、文字を書くなどの行為が難しくなるらしい
でも……体が欠損してもくっつけられるそうだ
簡単に言うと、ゾンビみたいになるらしい
……でも、知能が無くなっても稀に戻る可能性があるらしい
……やってみよう!
とりあえず、大きめの部屋に来た
そう言いながら少し腕を切らせてもらった
そこからは本とにらめっこしながら魔法陣をかいていった
……10分くらいたっただろうか?
結構しっかりかけたと思う
真ん中に寝かせて、準備は整った
……あとは呪文だ
そう唱えた瞬間、一瞬太陽のような光に包まれたあと、なんと真ん中で寝ていた総統様が起き上がった
あ……そうだった……知性が無くなるって……
とりあえず、確認のために紙とペンを渡してみた
そう聞くと、紙に意味わからない文字を書き出した
……ふにゃふにゃで読めん……!
……すると、さっきとは違って『まだ』読める字を書いた
その後……色々書いてもらったけど、まだ読めるのは名前だけだった
そういえば、ゾンビは食べなくても生きていけるらしいけど……
昨日買ったクッキーがポケットの中に入っていたので与えてみた
1口食べた瞬間、顔がパァァァと明るくなった気がした
あっという間にクッキーが無くなってしまった
……甘いものが好きなのかな?
……それより、どうやって元の国に戻すか考えないとな……
(wt国会議室)
シャークん目線
俺ら幹部の5人は急いで会議室に集まった
……もちろん、総統のNakamuのことだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。