数日後。
あなたの手首もだいぶ良くなり、久しぶりの長時間スケジュールの日。
今日は移動人数が多く、車は二台に分かれることになっていた。
スタッフが手際よく振り分けていく。
あなたは資料を確認しながら、自然に別の車へ案内された。
その瞬間。
リノの動きが止まる。
空気が固まった。
スタッフが恐る恐る説明する。
リノの機嫌がみるみる悪くなる。
後ろではアイエンが小声で笑いを堪えていた。
一方あなたは全く気づいていない。
にこっと手を振る。
車のドアが閉まる。
――その瞬間。
リノ、無言。
数秒後、低い声でぽつり。
車内の空気、凍結。
チャンビンが苦笑する。
即答。
しかも今日は渋滞中。
車が全然進まない。
リノは窓の外を見ながら、ずっと不機嫌だった。
スマホを開いては閉じる。
トーク画面を見ては消す。
そんな様子を見て、スンミンが言う。
すると数秒後。
リノのスマホが震えた。
画面にはあなたから。
その一文を見た瞬間。
さっきまで死んだ顔だったリノの表情が、一気に柔らかくなる。
メンバー全員、爆笑寸前。



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。