突然名前を呼ばれた
そう思って顔を上げようとすると
麻衣ちゃんにぎゅっと抱きしめられた
麻衣ちゃんの体温を感じる
暖かい
迷子の子がお母さんに会えた時のような気持ちになった
ふざけたような、でも優しい声に自然と笑みがこぼれる
そう言って麻衣ちゃんは私の頭を撫でた
少しくすぐったい
麻衣ちゃんの優しさで氷は溶けていく
空いた穴も麻衣ちゃんの優しさで埋まっていく
しばらく何も言わず抱き合った
その間、麻衣ちゃんはずっと私の背中をさすってくれていた
なんだかこのまま寝ちゃいそう
麻衣ちゃんは外の仕事も多くて大変だから
あまり迷惑はかけたくない
心の中、読まれた?
こんなこと、初めて言われた
この人は本当に、どこまで優しい人なんだろう
私の目を見てニコッと笑う麻衣ちゃん
麻衣ちゃんの笑顔でまだ頑張れる
私も麻衣ちゃんのこと、守らないと。
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最後まで読んでいただきありがとうございます
この話には、元になった動画があります
わかりますかね??笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!