剣持side
彼女は言った .
「 剣持くんはどこにも行かないでね 」 と。
驚きもあったがそんなものは隠すしかない
誤魔化しの微笑みも少し難しい
大丈夫 . 僕はどこにも行かないよ
だっていけないんだもん
まぁでも完全なるひとりでは無いし
長年仲良くやらせてもらってるヤツもいる
どうせ忘れるんだ
なら今この瞬間はどうでも良い
結局みんな忘れるのだから
適当に流そう .
いや 、聞き間違い
「 だから 」と言って
彼女は言い直した
あんっの" 狐 … ッッ
そう言うと口元に手を当てて
ニヤニヤし始める
何を吹き込みやがったあの野郎
記憶を遡らせてあなたの隣に
よくいる女子を思い出す .
星川さんだったっけ
僕がそう言えば ,
彼女は少し嬉しそうな顔をしたように見えた
僕自身 、 あなたのことはよく知らない
いや かと言ってあなたも
僕のことはよく知らないと思うけど
あなたの今の性格に行き着くまで ,
何があったのだろうか
今までの彼女なら
「そうかも〜笑」と言ってくれると思った
けど的外れだ
僕の言葉に ぶっすぅ と不満気に言ってくる
そっか 、 そうだよな
僕もあなたもちゃんと人間だもんな
ただ 、僕が特殊なだけ
彼女は少しズレている
正直、僕も納得のいくことを発しているけれど。
表面というのか 、
そっちは社交的で友人間にも困ってなさそうな人
けど実際はこっちが素なのだろう
話すほど分からなくなる
噛めば噛むほど味がするモノのように
彼女は知れば知るほど不思議な人だ
そう ニシシ と笑う彼女は
僕の友人に似ていた
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なにが " だから " なのか
あなたも葛葉も訳が分からない
けど 、 どこか分かってしまいそうになるのが
余計にムカつくし複雑だ
なんか難しく書きすぎましたね
私もぶっちゃけ混乱状態(
☆1000⬆ ありがとうございます !
毎話 いいねしてくれる人もありがとう 😆
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!