第6話

episode . 4
17
2026/03/13 08:00 更新





 病院の自動ドアが開いた瞬間 、
 外の春の匂いが途切れる 。


 代わりに 、消毒の匂いが鼻に入る 。


 ここに来るのは2回目 。
 1回目と違って私たちの空気は重たい 。


 受け付けであれこれ作業し終わり 、
 待合室で5人並んで座ってる 。


 前と同じ椅子 、
 前と同じ白い壁 。


 でも今日はやけに音が大きい 。


 時計の秒針の音 、
 紙をめくる音 、
 誰かの咳払いの声 。


 私の心臓の鼓動の音が
 1番大きく聞こえる 。


 緊張で手足の指が冷えきっている 。




akg
 大丈夫 ? 
あなた
 … うん 





 ウェンが心配して声をかけてくれた 。


 それだけでも少し緊張が
 ほぐれた気がする 。


 リトは腕を組んだまま黙っている 。

 イッテツは俯いたまま微動だにしない 。

 マナは天井を見上げているけど
 視線はどこか遠い 。


 名前が呼ばれ 、診察室に入る 。


 座っている医者のそばの机の上には
 分厚いファイルが置かれていた 。


 こっちを見た医者は
 少し驚いた表情をし 、
 私を椅子に座るように促す 。


 医者は静かにファイフを開き 、
 話し出した 。




医者
 検査の結果ですが 、
 いくつか通常と異なる数値が 
 確認されました





 息を吸う音 。


 それが誰のものか分からない 。




医者
 細胞活動が年齢に対して 
 極端に低い状態です 





 そう告げられた内容の意味が
 何もわからなかった 。


 でも 、私の体は普通の人とは
 違うことだけ伝わった 。




医者
 老化が進んでる訳ではありません 
医者
 むしろ逆です 





 医者は淡々と続ける 。




医者
 体内の時間の進行が 、
 緩やかになっているような 
 状態に近いです





 時間 。


 誰もすぐには口を開かない 。


 リトの指が机の縁を強く掴んでいるのが
 視界に入った 。


 4人がいる後ろからは
 何も音が聞こえない 。



医者
 現代医学では 、
 明確な病名は特定できません 
医者
 信仰の速度は個人差ありますが 、 
 数値から判断する限り …





 一瞬 、険しい表情を浮かべながら
 言葉を選ぶ医者 。




医者
 3年から 、長くて7年程度の間に 
 重大な身体機能の低下が
 起こる可能性があります





 3年 … 、7年 …… 。


 数字になった瞬間 、
 急に現実味が増す 。




sik
 治療法は … ? 
医者
 現段階では 、
 確立されたものがありません 





 イッテツの声は低く 、震えていた 。


 医者は静かに告げる 。


 自分の手を見つめた 。


 今はちゃんと動いてる 。
 指も 、呼吸も 、心臓も 。


 今は 。




あなた
 今すぐ
 何か起こる訳じゃないんですよね 
医者
 はい 、
 現時点で日常生活に支障はありません 





 なら 、まだ今は 。


 大丈夫 。




あなた
 そっか … 





 小さく息が漏れる 。


 怖いのかどうかも分からない 。
 すごく夢を見てるような感覚 。


 それ以上誰も喋らないまま 、
 診察室を出た 。


 廊下がやけに長い 。


 4人は何も言わない 。


 でもいつもより距離が近い 。


 私が消えるのを恐れているみたいに 。


 春の光が差し込む 。


 世界はちゃんと動いてる 。


 でも医者が言った 。


 ‘’ 体内の時間が緩やかになっている ”


 自分の中だけ 、
 少し違う速度で進んでいるのだとしたら


 それはどういうことなんだろう 。











  昨日の17:00に投稿するはずだったのに 、
   予約されてなかった … 。‪🥲‎

   書きだめ少なくなってきたので
   投稿ペース落としてます … 。




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