第3話

#2
60
2024/04/16 11:16
凛
いってきます、ニコッ
すでに亡き両親に挨拶をして

ドアを閉める。

鍵を掛けたら、準備はバッチリだ

近所の方への挨拶は明るく。

困っている人がいれば、快く手伝いを

見返りは求めない。

これが近所で広まっている、

優しい凛ちゃん なのだろう

自分でもわかっている。

なんでこんなことをするのか、と聞かれても

本当のことは言わずに、ただ笑顔で

当たり前のことをしているだけです、と言う。

踏み込まれそうになったら、

学校なので、失礼します

と言ってかわす。

こんなミステリアスな少女は、

今日も元気そうに学校へ向かう。

いつもの習慣通り、きちんとした服装

先生への挨拶は忘れず、

生徒指導の先生には

労いの言葉も忘れずに。

優等生としか言いようのない少女は、

きっと今日も苦しみながら生き続ける。

なぜならそれが、それだけが

少女の使命で、生きる理由なのだから

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