第19話

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2022/01/27 01:00 更新
you
ふぅ


生物室の前で1つ息を吐いて、ドアを叩く。



you
失礼します。3年5組のあなたです。
ミナ先生に用事があってきました。


シーン。



you
(え。誰もいないの?)
ミナ
ミナ
意外と早かったな。
you
うわ!!びっくりした!

目の前にある棚の横から物音たてずに、ひょこっと顔を覗かせてきた。



ミナ
ミナ
とりあえず入ってくれへん?
you
はい。
you
…あの〜他の先生は?
ミナ
ミナ
どいてもらってる。
you
え?


どいてもらってる?



この先生、権力者なの?



パワープレイにも程があるでしょ。



you
大丈夫なんですか。そんなことして。
ミナ
ミナ
適当に理由つけたし、あなたの名前出てないから平気じゃない?
you
……あなたなんて。
急に距離とりますね。
you
昨日はがっつり呼び捨てだったのに。
ミナ
ミナ
いちいち突っかかってこんといて。


この時、私は少しだけ調子に乗った。



こんなドライな会話をしている2人が、果たして付き合ってると思われるだろうか。



このテンションを保てているならば、



"まだ" 好きでいてもいいんじゃないかと。



you
すみません。
で、お話は?
ミナ
ミナ
…ズバッと聞くな?
ミナ
ミナ
…あなたは、私と付き合っててええと思う?
you
 は?


ズバッとすぎるわ。



まさか、先生からその話されるなんて…



心の準備が出来てないっての。











正直なこと言ったら、



…終わっちゃうんかな。









you
…いい訳ない。
ミナ
ミナ
you
だから。何言われても、受け入れます。
ミナ
ミナ
…どうゆうこと。
ミナ
ミナ
私まだなんも言ってへんけど?
you
分かってるでしょ?
だから、この話してきたんじゃないんすか。
ミナ
ミナ
っ。なんやねん、分かっとるやろって。


自分から聞いといて肝心なとこ私に委ねないでよ。



you
どうする、べきなのか。


続けて言葉を並べようとしたが、声が出せない。



喉に蓋をしたように。



いざ、言うってなったらやっぱり苦しいんだわ。



ミナ
ミナ
あなたは、もう答え出とるの?
you
……はい。
ミナ
ミナ
…そっか。
ミナ
ミナ
っ、好きでいるんも。、あかん?


ミナ先生の声が震えている。



ぐすっと鼻をすする音もする。



怖くて先生の顔を見れない。



you
うん。


それは別にいいかもしれないのに、うんって言っちゃった。



言い直しもできたのに、言い直しもしない。



ミナ
ミナ
そっかっ。


常々思う。私はもっと考えるべきだと。



考える前に口にするのは良くないよ。



you
先生、
you
…すき


ほらまた。



好きでいちゃだめって自分から言っといて馬鹿じゃないの。



ミナ
ミナ
…知ってるよ。


そう言って、いつから流れていたか分からない私の涙を優しく拭ってくれた。



ミナ
ミナ
すきだよ。


「それだけは変わらない」と言いたそうなのは何となくで分かった。



ミナ先生は、息を一気に吐き出した。



ミナ
ミナ
私の考えが足らんくてごめん。
you
…私もです。
ミナ
ミナ
期待させてごめん。
you
…わたし、も。
ミナ
ミナ
…必ず


「もう一度彼女にしたるから。」



その言葉を聞いた瞬間、全身を張り詰めていた何かが緩んで、ひたすらに泣いた。



泣きながらも、「卒業まで待ってて」って言いたくて、



涙を止めようと必死になっても、簡単には止まってくれない。


















それを今でも後悔している。



私が、たった一言言えていれば、



ミナ先生が姿を消すことはなかったんじゃないかと。



私が、



恋をしてはいけない恋を



2度することもなかったんじゃないかと。



7年後の私はそう思ってるよ。



━━━ END



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