jm , side
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
家
腕の中の白いうさぎが小さく動く
シャツの布を爪がきゅっと掴んだ感触が伝わる
靴を脱ぎ散らかしながらリビングへ向かう
部屋の電気をつけると 、急に生活感が浮き上がる
テーブルの上の郵便物
脱ぎっぱなしのカーディガン
ソファのクッション
ジミンはうさぎを抱えたままゆっくりソファに座る
ジミンはそう言うと 、うさぎの鼻先に指先を近づける
ぴく 、と鼻が動く
テレビもつけないまま 、部屋は暗めの電気の光だけ
外では雨が降っている
一定のリズム
あたたかい体温
単調な音
瞼が重くなる
ジミンはソファに深く沈む
うさぎを抱いたまま 、指がふわりと背中をなぞる
白い毛が指に触れる
柔らかい
安心する
そのまま 、ゆっくり意識が沈んでいった
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
数十分後
..... くす っ
遠くで声がする
指先に 、妙な感触
ぺちっと軽く頬を叩かれる
耳元に 、近い声
低くて 、 男の声
意識が浮かぶ
あれ 、と思う
さっきまで軽かったはずの腕がやけに重い
胸元にあったはずの小さな体の感触が違う
恐る恐る目を開ける
視界いっぱいに知らない顔
近い
距離感ゼロ
ソファの背もたれに片手をついた男が 、にやにやしながら覗き込んでいる
黒色の髪
綺麗な目
整いすぎてる顔
軽い声
頭が追いつかない
腕の中は何も無い 、空っぽ
さっきまで抱いてたはずの白い毛はない
代わりに 、目の前の男が自分の膝に体重をかけている
頬を触られる
目の前の男はにやっと笑う
一瞬の間
彼はさらっと言う
距離がさらに近づく
ふ ー っ
耳元に男の息が吹きかけられる
にやりと男は笑う














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!