任務明けの翌日
昼過ぎの坂本商店はゆるやかな空気が流れていた
窓から差し込む陽射しが、カウンターに置かれたコーヒーをきらりと光らせる
あなたは伝票整理をしていて、南雲はその向かいに腰を下ろしていた
昨日の“あの一言”が頭から離れない
あなたはペンを止めて首をかしげる
南雲はさらりと微笑みながらも、心臓がドクンと鳴る
あなたの頬がかすかに赤く染まった
あなたは慌てて視線をそらした
耳までほんのり赤い
南雲は肘をテーブルに置き、軽く身を乗り出す
その笑顔はいつもの穏やかさに、少しだけ意地悪な色が混じっていた
あなたは両手で顔を隠す
指の隙間から覗く瞳が、ほんのり潤んで見えた
その優しい声に、あなたはゆっくりと顔を上げた
かすかな声
でも南雲にははっきり届いた
南雲の笑顔は、昨日よりもずっと柔らかかった
あなたは視線を落とし、でもその口元には小さな笑みが浮かんでいた
南雲は胸の奥に広がる温かさを感じながら、
「この名前を、もっとたくさん呼んでほしい」
心の中でそっと願った












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!