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第4話

Code 03 最初の選択
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2026/07/08 15:11 更新




評価任務を終えた生徒たちが、次々と教室へ戻ってくる。


制服には土埃がつき、肩で息をする者もいれば、机に突っ伏して動かない者もいる。



天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
……つ、疲れたぁ…!!!




それは目の前のバディ、天野初瑠にも同様で、自分の席に腰を下ろすなり、机へ突っ伏した。



天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
もう走れない……
世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
全然走ってねぇよ。
てか、さっきまで元気だっただろ
天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
元気と体力は別なの!




即答だった。

俺は小さく息をつき、自分の席へ座る。



ふと教室を見渡すと、空席がいくつか目についた。



世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
……なんか、少ない?




その呟きに、少女も顔を上げる。




天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
本当だ。
途中で帰った人とかいるのかな?




ガラリ、と教室の扉が開く。




担任が入ってきた。

教室は自然と静まり返る。



担任は出席簿を開き、一人ひとりの顔を確認していく。



担任教師
担任教師
評価任務、お疲れ




その一言だけ告げると、出席簿を閉じた。



担任教師
担任教師
医務室へ搬送した者、帰宅を許可した者がいるため、全員は揃っていない





淡々とした説明だった。



担任教師
担任教師
……しかし




その一言で、教室の空気が変わる。



担任教師
担任教師
このクラスの生徒一名と、現在も連絡が取れていない





ざわり、と教室が揺れる。




クラスメイト
え……
クラスメイト
どういう事?








担任教師
担任教師
最後の通信は第三訓練棟体育館付近。
それ以降、応答なし




静寂。



誰も口を開かない中、

天野が、おそるおそる手を挙げた。




天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
先生
担任教師
担任教師
……何だ
天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
探しに行ったら……ダメですか?



教室中の視線が集まる。

担任は天野を見つめる。





数秒の沈黙。






そして、口を開いた。



担任教師
担任教師
なら、やってみろ




一瞬、誰も理解できなかった。




天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
…え?
担任教師
担任教師
君たちは何になるために、この学園へ来た?




誰も答えない。

担任は教壇へ寄りかかって、生徒全員を見渡した。




担任教師
担任教師
答えは、自分で決めろ、
ただし、
選んだ結果には、必ず責任が伴う
担任教師
担任教師
俺は、それも含めて評価する




教室の空気が張り詰める。

しばらくして、一人の男子生徒が立ち上がった。




クラスメイト
俺、行きます
担任教師
担任教師
…そうか





続いて別の生徒も立ち上がる。



クラスメイト
私も





一人、また一人。

静かだった教室に、少しずつ動きが生まれていく。



天野がこちらを見る。



天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
………世那くんは、どうしたい?
〈バディ制度〉があるから、しっかり答えて?





窓の外へ目を向ける。




第三訓練棟体育館

さっきまで自分たちが走っていた区域。

ちょうど、消化器をぶちまけた、あそこ。




世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
……行く




失踪したまま、なんて胸糞悪い話があってたまるか。



天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
よし!




天野の表情がぱっと明るくなる。


勢いよく立ち上がった彼女は、慌てて机に膝をぶつけた。



天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
痛っ!!
世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
……ホント、先が思いやられる
天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
あ、ねぇ、今笑ったでしょ!
世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
笑ってない




そんなやり取りをしながら教室を出ようとした、そのときだった。




担任教師
担任教師
……これは、適性検査でも、何も無い




担任の声に二人で振り返る。





その一言だけを残し、担任は黙った。



表情が変わる。

天野も笑顔を消す。
世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
……はい
天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
…重々、承知のうえですよ





短く返事をすると、二人は教室を飛び出した。




廊下には、すでに何組ものバディが走り出している。





誰よりも早く見つけたい者。


バディとしての評価を上げたい者。


純粋に人を助けたい者。





それぞれの思いを胸に、学園中へ散っていく。

少年は隣を走る天野に目を向けた。



世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
はぐれるなよ
天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
…世那くんが早く走らなければね!!
世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
俺が早いんじゃない。
お前がどんくさすぎるだけの話だ
天野初瑠(あまの うる)
天野初瑠(あまの うる)
また、そんなこと言って…!!!
……うん、絶対、一緒に帰ろう





その言葉に、小さく目を見開いた。

そして、静かに前を向く。



世那浮月(せな うつき)
世那浮月(せな うつき)
……言われなくとも







二人はまだ知らない。

この選択が、自分たちの運命を大きく変えることを。



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