ある日、私は文ストの新刊を買い、急ぎ足で家に帰っていた。
信号を渡りきろうと一歩を踏み出すと______
辺りにクラクションと硬いものが何か、人間の体のような少し柔らかいものに当たった音が響いた。
『 ん………え、ここ、何処…? 』
起きると其処は畳の少し狭めの部屋の布団の上にいた。
『 え、は、ちょ、ここって… 』
一瞬あり得ない事が頭を過ぎる。
『 …一旦冷静になるか 』
私は一旦頭の中で状況を整理することにした。
すると、頭に妙な効果音が鳴り響く。
これから、ゲームを始めます
『 は、?ゲーム、? 』
『 ていうか、御前何 』
そろそろ混乱してきた頃、またあの機械みたいな不気味な声が私の頭に鳴り響く。
貴女はこのゲームをクリアする必要があります
『 クリア、? 』
はい、今から攻略ゲームを始めます
ゲーム説明を行います
『 ちょっと待って 』
『 攻略ゲームって何、てかここどこ 私は死んだの?』
はい、彼方の世界では
トラックに轢かれてほぼ即死です
『 あ、普通に会話出来るのね 』
『 貴方は誰 』
私はこの攻略ゲームの司会者です
そして、ここは文豪ストレイドッグス、攻略ゲームの
所謂ゲームの中、です
『 ん?ちょっと待て 』
『 は?ぶ、文スト、?え? 』
『 しかも攻略ゲー??てか、ここゲームの中? 』
流石に情報が多すぎる。
はい、音羽あなたさんにはこのゲームを
クリアして頂かないといけません。
『 いや、ちょ、待て 』
『 なんで私なの? 』
『 ていうか、私死んだのよね? 』
はい、選ばれたからです
『 何に? 』
運営に、です
『 意味わかんな… 』
では、ゲーム説明を行います
貴女にはこの文豪ストレイドッグスの世界の
キャラクター、20人を攻略して頂きます
私は理解を諦め、一旦この機械の話を聞いてみる事にした。
攻略するにはある程度好感度を上げる必要があります
『 成程ね、で?幾らまで上げればいいの? 』
260以上です
今の所好感度の好きとか嫌いとかの目安はわからないがまあまあ高いという事はわかる。
セーブは勝手にされるので死亡した場合、
セーブされた地点に戻ります
『 え、ちょ待て、私死ぬの? 』
云い切ることはできませんが、
死ぬ可能性は高いです
『 マジか… 』
私、もう既に一回死んでるんだよな〜。
攻略しなければならないキャラクターは
中島敦、太宰治、江戸川乱歩、国木田独歩、
宮沢賢治、谷崎潤一郎、泉鏡花、与謝野晶子、
谷崎ナオミ、中原中也、芥川龍之介、夢野久作、
樋口一葉、フョードル・D、ニコライ・ゴーゴリ、
シグマ、条野採菊、末広鐵腸、立原道造、大倉輝子の
計20名です
『 地獄かよ… 』
『 いや、まあ推しと仲良くできるのは嬉しいけど…』
『 条野さんとか鐵腸さんとかニコライとかフョードルとか何考えてるかわかんなくて苦手なんだよな…』
まあ、攻略しないといけないんだろうけど。
一人クリアすると、その人の好感度はそのままで
また新しい方を攻略して頂く仕組みになります
成程、一人攻略したからって最初の地点に戻るわけではないって事ね。
一通りの説明は終わりましたが
何か聞きたい事はありますか?
聞きたい事…。
この時点で三つ。
『 全員攻略が終わったらどうなるの? 』
それは秘密です
『 はっ、秘密主義 』
『 もう一つ、好感度の目安的なものはある? 』
はい、好感度の目安は
70以下が嫌い、知らない人、
80〜90が普通、
90〜150が友達、
150〜260で好き、
260〜300がすごく好き、
そして、300以上が危険となっています
『 ん?ちょっと待て危険って何 』
危険というのは所謂ヤンデレになるという事です
ヤンデレ状態になってしまうと
何をしでかすか分かりません
貴女の命だって危ないので
300以上はいかないように
好感度を下げるのも大事です
『 成程ね、確かに、文ストキャラってヤンデレ化したら厄介そう… 』
気を付けよう。
もう一つの質問は…。
『 私からしたら見知ったキャラだけどあっちからしたら私って知らない人なの? 』
いいえ、会ったことはあります
ただ各キャラの好感度は違うので覚えたいるかは
その好感度次第でしょう
『 成程ね 』
流石に忘れられてるのは傷つくな…。
私は出来るだけ貴女の手伝いをします
何か困ったことがあれば呼んでください
私は深い溜息をつく。
意味がわからない。
ていうか文ストキャラ……。
『 寝癖直さないと… 』私は座っていた布団から立ち上がり、身支度をはじめた。
ゲームスタート













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!