─木曜日─
💎side
正直さ…おとといあんなことがあっての今日なんて…
ッ…心の整理付くわけなくない…?
「俺だって信じたい」って言ってたからきっと商談?の時点ではいふくんのこと信じてたんだろうな…
でもないちゃんの家に向かう途中で迷いに迷った結果があれってこと…?
…僕はいふくんを信じたい。
不仲やってるけどほんとは頼れる先輩みたいに思ってるし…
もし「1番好きなメンバーは?」って聞かれたらいふくんって答えれるくらいにはちゃんといふくんのこと好きだよ、?
でも…証拠があるからには……
何が真実で何が嘘なのか…どうしたらわかるの…?
真実はいつも1つとか聞いたことあるけど…考える人によって何が真実かなんて変わるくない?
僕が大好きなあのいふくんは偽物だったりして。
動画の中のいふくんが本当の姿だったりして。
僕は…?
…僕はただ感情に任せてばっかりだ…笑
……どうしたらいいんだろ…
客観的に見て考えるべき…?
それともいふくんを信じたいっていう気持ちに縋るべき…?
只今ないちゃん家の玄関前。
家の中に入りたくないです。
ただでさえ気まずいのに遅刻なんてするなよばかぁ!
集合時間17:00だよね…
今17:50なんですけど。
…中にいふくんもいるよね…?
絶対ビミョーな空気流れてるよねっ!?
そんな中遅れて登場なんてしたくないんだけど!?
そりゃなるべくいつも通りってのはわかるけど…
僕だっていっつも明るいわけじゃないし…
それはあまりにも突然のことで理解が追いつかなかった。
すごく優しくて、それでいてどこか苦しさを感じてるような、そんな声色。
僕はこの声を知ってる。
どうしようッ、なんて声かけたらいいのッ?
「僕はいふくんの味方だから」
「ごめんだけど僕はいふくんを信じれない」
まだ僕はどうしたらいいのかッ──
聞か、ないの…?
「お前は俺のことどう思ってんの」って…
聞かないの…?
ッ!なんで…そんな…ッ…
ッ…いや…今はそれを言うときじゃない…
いふくんがそうするなら…僕だって……
え…?
え、いふくん?
もしかしていろいろありすぎて時間の計算できなくなった?
急にスマホ触りだしたし…
ほんとにこの人大丈夫かな…?
ん?てことは…
…ないちゃん??
僕のこと信じてなさすぎじゃない…?
それは…あのとき僕たちが…
話題…
ないって…はっきり言える──?
ぼ、くは…
…?
強ければ…?
何が、…?
…なんで言ってくれないの…?
「助けて」って言ってくれたら僕はいふくんの味方になれるのに。
言ってくれなきゃ…わかんなく、なるじゃん…!
それ、は…僕だってそう思う…
でも…まだいふくんにアレは聞かせてない、…
…いや、それはまた後で話そう…
それよりも…
やっぱり隠すの…?
そんなの…やましいことがあるみたいじゃん…ッ…
いふくんはわかってるんだ…
自分が信じられてないってことを…
きのうはいふくんに動画を見せたあとみんなパニックになってたから…ッ僕もあんな酷いこと言っちゃった…
いふくんからしたら…全員敵に見えてたのかな…ッ
───────あれ、?
だったらなんで僕にこんな話を──
僕…そんなにいふくんのこと見てたんだ…
…いや、みんなが見てなかっただけなのかな。
今かろうじて繋がってるだけの糸を…
僕はどうしたらいい?
多分ないちゃんもいふくんに向かって糸を伸ばしてる。
でもいふくんがそれを掴んでるとは限らない。
今、確実にいふくんを繋ぎ止めれてるのは僕のこの細い糸だけなんだ…
その糸を僕が裁ち切ったら…いふくんはもう掴めるものがなくなる。
そんなこと、僕がしていいはずがない。
今までのいふくんとの絆はそんな簡単には切れちゃいけない。
あの音声だっていふくんとは限らない。
まだ、
まだ、
糸を切っちゃダメだ。
僕が知ってるあのいふくんは今目の前にいるから。
僕は、僕にできることを。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。