………どうやら私は寝ていたようだ。
起きたらホーム内のベンチに座っていた。
私の手を取り、スタスタと歩いていく。
あっという間に着いてしまった…
Y市の中心から少し離れたところに、
大きなザ・和風の店があった。
店内はとても綺麗で、たくさんの和服が
展示してあった。
女将さんのお・も・て・な・しも果てしなく、高いところだと、金銭センサーが反応している。
お店の一角にある、浴衣コーナーなのだが
それだけでもめちゃくちゃ広い。
15着ぐらい一気に持ってきて、後ろの
女将さんもやる気満々の様子。
断れねぇよ…
一瞬で試着室まで連れてこられた。
女将さんと一緒に豪華な浴衣を着ては脱ぎ、
着ては脱ぎ…
最初の15着を超える23着目を
着終えたところだった。
更衣室の外が騒がしくなる。
承太郎さんが何かを必死で止めていたが…
ガシャアっと扉が空く。
2人とも私を見るやいなや固まってしまった。
えげつない速さで会計を済まされ、気づいたら外に居た。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!