〈王都・ルクスグラーデ 崩壊後〉
王宮が崩れ落ち、王都全体が炎に包まれていた。
王族として生まれ育ったリュカにとって、ここは全ての始まりであり、全てを失った場所となった。
崩れた王宮を見つめながら、リュカは拳を強く握る。
だが、今は立ち止まる時間はない。
背後にはまだ神々の使徒たちが潜んでおり、王都の各地で暴動が続いていた。
その時、リュカの耳に微かな足音が響く。
影から現れたのは、一人の少女──
黒髪に深紅の瞳を持ち、暗色のローブを纏ったアリシア・ノクタリウムだった。
彼女の視線の先には、神々の使徒たちが次々と王都を破壊しながら進軍していた。
リュカは一瞬戸惑うが、今は彼女の言葉に従うしかなかった。
王都を脱出するため、二人は夜の闇へと身を潜める。
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〈王都地下道〉
アリシアに導かれ、リュカは王都の地下道へと逃げ込む。
この地下道は、かつて王族専用の避難経路として作られたもので、外の大陸へと続いている。
リュカが疑問をぶつけると、アリシアは少し微笑んだ。
その時、地下道の奥から異様な気配が近づいてくる。
突然、壁が崩れ落ち、神々の使徒の一体が現れた。
リュカはすぐに《レクス・アウルム》を抜き、アリシアは魔法を構える。
アリシアは迷いなくリュカの横に立ち、炎の魔法を詠唱する。
紅蓮の炎が放たれ、神々の使徒に直撃する。
しかし、それでも完全に倒すことはできなかった。
リュカが剣を振るい、神々の使徒のコアを切り裂く。
その瞬間、使徒は消滅し、地下道に静寂が戻った。
互いに視線を交わしながら、リュカとアリシアは急ぎ出口へと向かう。
〈王都郊外・森林地帯〉
地下道を抜け、二人は王都の外に出る。
しかし、そこに待ち受けていたのは、王都を包囲するかのように集結した敵軍だった。
アリシアが息を呑む。
神々の使徒だけでなく、王都の混乱に乗じて動き出した賊や異端者たちもいた。
その時、突如として矢の雨が降り注いだ。
リュカがアリシアを庇いながら地面に伏せる。
すると、森の奥から獣のような影が飛び出してきた。
二人の前に現れたのは、銀色の毛並みを持つ獣人族の青年・カイル・ヴァンデルだった。
彼は巨大な斧を軽々と振り回し、敵を次々と薙ぎ倒していく。
カイルはニヤリと笑い、二人に手を差し伸べた。
リュカとアリシアはその手を掴み、新たな仲間と共に森の奥へと逃げ込む。
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〈森の隠れ家〉
森の奥深くにある獣人族の隠れ家で、リュカたちは一息つく。
カイルが問いかけると、リュカは拳を握りしめながら答えた。
カイルは腕を組みながら考え込む。
リュカは、崩れた王宮と父の最期の姿を思い出しながら、静かに答えた。
その言葉に、カイルとアリシアは驚いた表情を見せる。
リュカの瞳には、確かな決意が宿っていた。
こうして、三人の旅が始まる──。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。