放課後、文化祭準備。
教室の中は少し騒がしくて、あちこちで作業が進んでいる。
り(なんか、ずっと一緒に作業してる)
り(普通に嬉しいんだけど)
り(衣装かあ…)
り(ちょっと楽しみかも)
数分後。
簡単な以上に着替え出てくる。
(ちょっと恥ずかしい…)
(変じゃないよね)
り(新島くんは…)
ちらっと見る。
固まってる。
り(え、何その反応)
り(絶対なんか思ってる顔じゃん)
1歩近づく
り(あれ)
り(距離近くない?)
り(あ、やば)
り(今めっちゃ近い)
少し下がろうとした瞬間、
足がなにかに引っかかる。
咄嗟に腕を掴まれる。
り(え)
気づいたときには、
すぐ目の前に由宇の顔があった。
り(近い近い近い近い)
り(無理無理無理)
一瞬、時間が止まる。
ゆ(近すぎだろ…)
ゆ(なにこれ)
り(心臓やばい)
り(絶対聞こえてる)
でも。
距離は、まだ近いまま。
り(なんで離れないの)
り(いや私も動けないんだけど)
り(うわ!!)
バットはなれる。
り(やめてほんとに)
り(顔熱い)
作業に戻っても。
り(さっきの距離…)
り(思い出すだけで無理)
ゆ(あれは反則だろ)
ゆ(あんな近くで…)
ゆ(意識するに決まってる)
り(新島くんの顔…)
り(近すぎてちゃんと見えなかった)
り(でも)
り(もう1回、って思った自分いるんだけど)
もう戻れない。
ただのクラスメイトの距離には。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。