第154話

🐰After vacation-3
462
2021/10/09 04:35








完成したキャンバスを丁寧に梱包して、

郵便局へ持って行って

郵送した。








「送り主は・・・これでいいんですか?」







From JKとだけ書いた、送り主の欄。

不思議そうな顔をした局員さんに、

大丈夫だ、と伝えて、

料金を支払って外に出た。









届いたら、彼女は泣くだろうか

それとも、笑うだろうか。








あの、古びた店で、

梱包を恐る恐る開く彼女の姿を想像する。








その絵は、お店の家族写真が飾ってあったところに、

一緒に飾ってほしい。








ビルで切り取られた小さな空。

それでも、彼女と繋がっている、

唯一の空。









ソウルも、そっちと変わらず、

暑いよ、ヌナ。








ふわっと、生温い風の間に

潮風を感じたような気がして、

振り返った。










そして、また前を向いて歩き始めた。









いつか、胸を張って会いに行けるように。











END





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