第19話

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2023/02/16 11:02 更新
あなた
私、死んだのが5歳のころでさ
トウマ
そんなに早く…?
あなた
私も、そんなに記憶がないんだけど、ぬらりひょん様が教えてくれたんだ
それからあなたは、人間だった頃の話を聞かせてくれた
とある小さな集落に生まれたこと、そして大人の寿命を延ばすために定期的に祀られている神に生贄を捧げていて、それに自分が選ばれて殺されたこと
子供を生贄にすることによって、その子が生きるはずだった分が大人に上乗せされると考えられていたかららしい
実際にはみんな50〜80ぐらいで亡くなっていたそうだ
あなた
ね、そんなもんしかないよ
そう言いながらあなたはお菓子を頬張った
トウマ
そんなことがあったんだ…
あなた
まぁ、あの集落にいるより、妖怪の方が絶対楽しかっただろうから、いいんだけどね
あなた
私がこんだけ強い妖怪になれたのも、あの集落のおかげだし、感謝してるんよ
トウマ
どうして?
あなた
あの集落ね、死ぬと生贄の怨念で地獄に落とされるって言い伝えがあったらしくてね
あなた
今までの生贄の怨念が次の生贄に向けられるようにする儀式もあって
あなた
私に今までの怨念が向いてて、さらに集落の人の死にたくないって思いが私に全部向けられてるわけよ
あなた
妖怪は人に恐れられているだけ強くなる、だから私もこうして強い妖怪でいられるってわけ
トウマ
でも、あなたの次の生贄に怨念が向けられるんじゃないの?
あなた
実はね、あの集落、私が殺された数十年後に、無くなっちゃったんだって
あなた
定期的って言うけど、10年とか20年に一回ぐらいのやつだったからなぁ…
あなた
火事で全員亡くなったんだって
トウマ
火事で…
トウマ
(火事か…もしかしてエンマ大王が…?いや、そんなわけないか)
あなた
変な話しちゃったね、じゃ、雰囲気を変えるために…
どっこらしょ、と言いながらあなたが立つ
あなた
もう一勝負といこうじゃあないか
トウマ
うん…!

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