何も要らない
心臓が煩かった
街の喧騒が濁った
久しぶりに雨を被った
人生も生活も
もうどうでも良かった
ただ微塵な感傷に浸っていた
七月の街並みを仰いだ
東大通りの街灯と
朝の霞、匂いの間違いが
僕の心を締め切った
妙な焦燥感に憂い咲く
分かってた
分かった顔をした
最低だ最悪だ
全て君の所為にした
君の形は変わらないまま
記憶だけを残して逝った
最悪だ最低だ
冷めた喉を枯らして言った
「愛って奴は自分勝手だ」
人生自分だけで生けるなら
音楽達は僕を救った
音楽ももう辞めだ
どうせ褪せるから
君も何も要らない
心臓が煩かった
街の雑踏が光った
初めて心を切り出した
愛情も友情も
もうどうでも良かった
くだらない感傷にも花を挿した
六月の街並みを擦った
裏路地の露天商
灰の空気、煌めいた雨粒
音楽が脳を埋め切った
この視界の滲みも気の所為だ
笑ってた笑った振りをした
最低だ傲慢だ
君もみんな強欲だ
人生の価値が分からないなら
ありがちだって仕方がないな
言っていた知っていた
君の人生は君のものだ
最低だって 感傷自体が
人生と愛の造花
この二つは紙一重で
僕を砕いた
君も全部偽物だ
記憶の中だから
愛も何も要らない
最低だ最悪だ
僕の全部無価値だ
絵空事だって分かっていた
偽善者だって良いじゃ無いか
最悪だ最低だ
君はずっと俯いていた
僕はずっと分かっていた筈なのに
最低だ最悪だ
言葉なんて貪欲だ
君の人生は月みたいだ
つまらないなんて言わせるもんか
最悪だ傲慢だ
歌も全部最低なんだ
そう言えば語呂だけだろうな
人生自分だけで生けるなら
音楽達は僕を救った
音楽ももう辞めだ
どうせ褪せるから
愛も、過去も、今も、夢も、言い訳も、浅い海も、
正しさも、苦しさも、星屑も、夜歌も、
偽善も、夜風も、嘘も、君も、僕も、花緑青も
何も要らない













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。