※雰囲気で理解することを推奨します......
(作者の語彙力不足)
その後。まだ状況を整理しきれていない私に反して、どんどん事件は解決していった。
セノ先輩たちと合流して、すぐに密輸犯は捕縛された。セノ先輩とマハマトラの人に連れて行かれていた。
そして去り際、セノ先輩が話しかけてきた。
私が少し得意げに言うと、セノ先輩はふ、と小さく笑った。
セノ先輩は、なんだか察したように少しだけ微笑んでから、砂漠へ歩いていった。
その日の夜のことだった。
私は不思議な夢を見ていた。
というか、これは夢じゃないような気がする。
だって、夢にしてはあまりにも鮮明すぎるから。
私が目の前にしているのは、至極不思議な空間。
縦長の黒い石が何本か、まばらに宙に浮いていて、視界には白と黒と灰色くらいしかない。
モノクロと例えようとしたけど、なんだか適切ではない表現のような気がした。
地面は……これ地面なのかな。
明らかに土ではない。かといって石でもないし、地面がないわけではない。不思議な空間。
私の見る夢にしては、やけに解像度が高かった。
夢じゃないなら、一体なんなんだろう__________
突如背後から聞こえてきた声に振り返ると、そこには、“私がこの世界で初めて見た人間“の姿がそこにあった。
けれど、体が透けていて、淡く光っている。
それはつまり、今世の私、ということなのだろうか?
(前世の名前)の記憶を思い出す前の、純然なるテイワットの人間であるあなた。
多分、そうじゃないかな。
少女は私の方へ歩いてくる。そして、私を見上げた。
何が何だかわからない、という顔をしていると、少女は続ける。
唐突な問いに、驚く。でも、正直に言ってしまえば。
そう。記憶喪失からの復帰で思い出せたのはあくまで、「今世の記憶」。
今世の記憶を構成するのに関わってくる、前世の“知識“は思い出せるんだけど、いまいち記憶に関しては思い出せないのが現状だった。
思い出せることといえば、日本人だったこと・ゲームやアニメが好きだったことくらいだろうか。
前どこかの書物で、“降臨者“について書かれてあった。でも、ほんのちょっと。
“書いちゃいけないようなものをこっそり書いてます“みたいな感じの書き方だったけど。
テイワットの外から来た者のことを指すらしい。
そんな人はなかなかいないので、ちょっと会えないかなとかは記憶喪失の時に思ったりした。
ん?なんか今ものすごく怖いこと言わなかった?
でも、と言いかけたところで、唇に人差し指を当てられた。
その言葉を聞いて、納得した。
私は、この世界では異物と認識される存在。
魂はともかく、私が持つ知識と記憶は絶対に、テイワットに存在してはいけない物なんだ。
すごく、場違いなことを聞いている気がする。
ネガティブに、なりすぎている気がする。
でも、どうしても。世界という大きな存在に拒絶されているのに、なんで私が死んでいないのかの方が気になった。
確かに、この世界は世界樹に保存された知識と記憶でできている。
その世界樹から“私“という存在と記憶を消し去ってしまえば、テイワットにはあなたの前世の名前は存在しなかったことになる。
でも、キィニチがテイワットの未来を左右するような人物で、なおかつ彼は私を自分の運命に深く強く巻き込んでいた。
だから私は“世界樹に残る形での死亡“を世界から望まれたわけだ。
要約すると、私はこのテイワットにとって、“消されるはずだった存在”だった。でも、キィニチのおかげで“消したいけど消せない存在”になったということだ。
混ざる?ん?え?
どう言うこと?
じゃ!と言って、光は霧散していく。
しんみりとした空気。シリアスの空気。ギャグのような空気。その他諸々まざって。
目が覚めた時に微妙な気分になった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。