🍆side
家のドアを開け、今日会ったばかりの少女を家にあげる。
なんて、丁寧に靴を脱ぎ揃える彼女を見て思う。
...楓優雨。
ちょっとだけ、苦手意識を持ってしまった女の子。
...なんかね。
周りにポジティブ女子しかいないもんだから、
こういう女の子への対処法をしらんのよ。
だまって見守るぐらいでちょうどいいか、うん。
ぺこ、と会釈しそのままお風呂へと向かっていく。
...なんだかなぁ
分かっている。今回はやむを得ずのこと。
だから俺だって部屋を貸したし、できる限りの事は
てつだおうと思っている。
本人だって非常識だと自覚している。
しかし、しかしだよ?
色々、思うことがある。
それを本人に言うことはきっとないし、
他のやつにぼやくなんてこともありえないけど。
ただ、少しだけ彼氏さんを同情してしまう。
たしかにこんなにも危機感のない彼女がいたら
メンヘラにもなるだろう。
しかも自分のことが好きかどうかも分からないという
デバフ付き。
正直、相手側が100%悪いとは思えない。
早いとこトラブル解決させちゃって、
お別れした方が良さそうだ。
生ハムでも使ってやろーっと。
優雨side
...今日は、色々とやらかしてしまった。
まず、彼氏のLINEを見るのが5分も遅れてしまった。
そしてデートの待ち合わせに10分も遅刻した。
彼の"あたりまえ"にそぐわない行動をしてしまったのだ。
あそこまで怒らせたのは初めてで、正直頭が回らなかった。
シャワーを冷水にし、頭から被るよう設置する。
少し頭を冷やしたい。
ほぼ初対面のような方々まで巻き込んで、
一体私は何をしているのだろう。
こんなふうになるだなんて、ミリも思っていなかった。
今までもトラブルはあった。
でもここまで大きくなることはなかった。
恋や愛に理解を示せない。
別に愛されなかったとか、そういう訳では無い...と思う。
母も父も私にはとことん尽くしてくれたし、
友人にだって恵れた。
「好きにならなくていい」
「俺のそばに居てくれたらそれでいい」
「優雨はそのままで」
...なんて言い、何度も何度もいいよってきた彼。
断る理由も特になかったから、何となく付き合った。
今までもそれで済んだし、別れる時は穏便だった。
...たまたま、今回は上手くいかなかっただけ。
やはり男性には奉仕が1番だろうか。
あいにく今の私にはそれぐらいしか礼を伝える方法がない。
生きてさえいればそれでいい。
彼女は幸せになるべくしてなった人だ。
...私とは、まるで正反対の人。
...彼女のように生きれば私も幸せになれただろうか...
...なんて、当たり前のことすぎるだろうか。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!