第14話

  10
362
2025/03/30 09:44 更新

 聞いたことはあるはず、傍観者も悪だという主張。
 ある学校でいじめが起きた時、なんで止めなかったんだ、という責め方をされる事がある。
 主犯格が絶対悪だろう。でもそれを止めなかった僕は悪いとは言い切れずとも、善いとは絶対に言えない。

 そういう観点で見れば、あなたの下の名前の父親が死に近付く様をぼうっと見ていた僕は 悪になるのだろう。
 彼も僕も10歳前後の時。
 若くして組織の頂点に立ったのがあなたの下の名前の父親、他谷真虎だった。彼は人情味に溢れた、まさか裏社会の党首の1人だとは思えない人だった。
 幼いながらに、この人はいる場所を間違えているな、なんて思った。
 だから変に責任を感じて 自殺なんかしたんだ。

 「 刀也 、流石 加賀美さんだよなァ!! 」



 加賀美ハヤト なんて言った人が新しいトップになった。真虎を自殺に追い込み、その妻をも無惨に殺した。
 しかも、真虎の武器で、殺し方で。

 でもその加賀美はすぐに失踪した。
 叶さん曰く「 もう用はないんだってさ。 金も女も 」

 その次にトップに立ったのが叶さんだった。


 でもこれは 真実ではないかもしれない ____
 加賀美が失踪した時、叶さんは酷く笑っていたから。

 
 …… 意志を殺したのは僕なのかもしれないしね 

 みんなが自室に戻って行く背中にそっと呟く。

 タタニ の手掛かりは未だゼロ。
 あなたの下の名前がギリ0.1くらい。

 迷惑なんだよなあ、
 そうやって 手柄を取っていかれると。

 あの人を思い出すの、まさか亡霊かな。
 なんてねー。



_@_
 暇すぎるーーー タトゥー掘ろうかな 
_@_
 ああ タトゥーね、いいと思う 
_@_
 でも銭湯とか入れなくなるじゃん 
_@_
 いや、お前はどうせこの場所で死ぬだろ!笑 



_@_
 死ぬのか…… 

 暇すぎて1人で対話をしてみた。
 そこで思い出した事実。

 1年後に死ぬ確率がほぼ100。終わりだろこんなん。
 父親の仇を打ちたい……
 なんて大きなことは考えてない。

 知りたかった __ 当然だろ。
 そりゃ、お金が欲しいなんて薄い理由が通るなんて思ってないし。多少の嘘も必然でしょう。

 いやまあ、あんな変な殴り込み方をしたのはゴメンだけど、手紙の主 …… 加賀美?さんには。

 _ To. 他谷 あなたの下の名前
     
  今日は真虎さんの命日ですね。
  こんな日に手紙をお渡しするのを
  どうかお許し下さい。

  高校生活は楽しいですか?
  楽しいなら、この手紙は無視して下さい。
  なんなら 文字通り燃やして欲しいくらいです。

  でもどこか、貴方の中で引っかかる物があるなら
  裏社会の事がぼんやりと貴方を侵食しているなら
  真虎さんを殺した組織の電話番号を差し上げます。

  もしあなたの下の名前さんが大変な目にあったら、
  いや無いようにはするのですが、
  ▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓住所まで駆け込んで下さいね

  くれぐも、その真虎さんを殺した組織に
  このことは密告しないでください。
  申し訳ないですが、
  そうなったら私と貴方は敵です。

  貴方が賢い判断をしてくれること、祈っています。

  電話番号:000-000-000


 _ From.加賀美ハヤト


不破
 社長? このあなたの下の名前くん結構派手にやっちゃってますけど 
加賀美
 …… まあ、…結果1年の猶予は得た訳ですし、結果オーライだと思いましょう 
ローレン
 結構 エグかったなあの電話 
加賀美
 でも 貴方達もね、現場で一服して帰ってくるのやめてもらえます?! 
不破
 サーセーン 

プリ小説オーディオドラマ