もう一枚の手紙にはこう書いてあった
日付もあった。
日付をみて分かった。
これはタイムカプセルを置いた後に入ってる。
私が小学二年生の時の、
かんちゃんが引っ越した頃の手紙だ
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20○○/08/20
今日は僕が引っ越す日です
この手紙がはいってるのに驚いたかな?
ごめんね。入れたときにあなたの手紙は見てないよ!
急いで入れたんだ…
僕が引っ越した理由、知らないでしょ?
僕…治らない病気になっちゃったらしいんだ
だからこれから入院だよ
あなたの声が聞けなくなるだけで寂しいな…
まだあなたの事がスキだよ
けっこんできたらいいのにね…叶わなさそう
寂しいなぁ……
これをもしみたら、
○○県○○市○○○○○
に連絡してね!
僕が死んじゃってたら連絡がいってるはずだから…
連絡がまだ来てなかったら、手紙を下さい!!
あと…あなたが僕に書いてくれた手紙も送ってくれたら嬉しいなぁ
今までありがとう!大好きだよ!
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私は泣いた
かんちゃんは何も言わずにどこかへいった
それが今知った
天国に今いるかもしれない
小学二年生で死を覚悟していたということ
ずっと私を好きでいてくれたこと
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!