第9話

思い出した記憶。
16
2017/10/04 12:36 更新
「形じゃない何か…形じゃない何かってなんなの…!」

凛々は焦りの頂点に達していた。

それでも、だんだんと落ち着きを取り戻しながら、
形じゃない何かについて考え込んでいた。

私は目を瞑った。

…何も出てこないと思っていた。

…が、しかし!1つだけ思い当たることがあった。

私は目を見開いた!

「高校生の時の思い出が残っていない理由が分かった!」

なぜか今の凛々には自信が満ち溢れていた。

青くて純粋な春だった日が、一瞬で赤黒く、淀んだ春へと変わっていったあの日のこと…。

私の思い出は形として残っていたのでは無い。

私の思い出は、視覚として残っていたのだった。

プリ小説オーディオドラマ