前の話
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私は高校3年生の受験生だ。
1年生と2年生は特に目立ちもせず、真面目に教室の片隅で本を読んでいるというような典型的な内気な生徒であった。クラスでも友達はいない。
でも、、ただ1人、いつも私の事を気にかけてくれる人がいた。
「あなた!!また本読んでるのか?今日はどんな本読んでるんだ?終わったら貸してくれよ!」
『... 先生、。』
「なんだよそんな目でみんなよ照れるだろっニコ」
先生は私の所にきてこうやって毎日からかう。私はそんな誰にでも明るい先生にいつしかあこがれの感情を抱くようになった。
『今日も先生は元気だなぁ』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!