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第1話

episode1 ~告白とハンカチ~
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2017/10/13 10:28
校舎裏_。私はずっと憧れだった先輩に告白する。
汐那
あの!す、好きです!付き合ってください!
驚いた様子で、先輩はわたしをみていた。
少しの沈黙が流れたあと、先輩が口を開く。
先輩
…ごめん。気持ちは嬉しいけど、彼女いるから。
やっぱりそうだよね、こんなかっこいい人フリーなわけないもんね…。
汐那
いや大丈夫です!時間取らせてごめんなさい!
泣きそうになるのをこらえながら言った。
先輩
じゃ、俺は、これで。
そういい、歩いていく先輩を見ながら私はその場から動くことが出来なかった。
告白なんて慣れないことするんじゃ無かった。
そんなことを思いながら、私は泣くことしか出来なかった。
汐那
うっ、クズ…
泣いていると、後ろから声が聞こえた。
大雅
大丈夫?
汐那
ヒック…えっ…?
そこに居たのは、見たことない後輩の姿。
こんなみっともない姿を見られてしまった。
大雅
あ、先輩?
大丈夫ですか?
あっち、年上だということに気づき敬語に直しつつ心配そうにのぞき込んできた。
汐那
ご、ごめん。何でもないから…
軽く笑いつつ、涙を袖で拭う。
でも、拭けば拭くほど涙は溢れ出てくる。
大雅
何でもなくないじゃん!
はい、これどうぞ!
差し出されたのは、男の子のものとは思えないくらい可愛らしいハンカチだった。
汐那
うっ。ヒック。あ、あり…がと。
とにかく恥ずかしくて、けど、涙は溢れてきて。
そのハンカチを貰うしかなかった。
大雅
もー大丈夫ですか?
少し落ち着いた時、言ってくれた一言。
汐那
う…ん。ほんとにごめんね。恥ずかしいところ見せちゃった…
初対面の後輩にこんなところを見せて、ハンカチまで借りて本当に情ない先輩だ。
大雅
俺は、大丈夫ですよ?
笑顔で後輩がそう言ってくれて、何となく嬉しかった。
お世辞でも嬉しかった。
汐那
本当にありがとうね!
笑顔で言ってくれるので、私もつい笑顔で答えてしまった。
大雅
ッ…!?///
何故か顔を赤くしてる後輩に、名前を聞くことにした。
汐那
君名前は?
大雅
えと、五十嵐大河っす!
せ、先輩は?
元気よく名前を言ってくれた。
“五十嵐大河”かっこいい名前だなぁと思った。
汐那
私は、如月汐那!2年だよ!
大雅
如月先輩!これからよろしくっす!
にこやかに、挨拶をしてくれてこの子はほんとにいい子だと思った。
汐那
うん!
振られて辛かったはずなのに、五十嵐くんのおかげで
少し元気になれた気がする。
大雅
あ、俺もう行きますね!じゃ!
そういい、走ってどこかへ行ってしまった。
初対面なのになんであんなにも人に一歩近づけるんだろう。きっとコミュニケーションが上手なんだと思った。
ふと、先ほどの笑顔を思い出した。
汐那
また、話してみたいな…
ヒューっと風が吹き、足元にはハートの形の葉っぱがヒラリと舞って来た。
これは、何かの始まりの合図なのかもしれない。

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