「本当は殺すつもりはなかったんだ。」
僕は溜まっていたもの、全てを吐き出した。
「だから、頭が真っ白になったんだ。行方不明だと聞いた時。」
小声でつぶやいた。
「カメラが、バレた後にどうすればいいかわからなくなって、殺したんだ。」
「今の僕もどうすればいいかわからない。殺したのは正解だと信じてる。」
「だから僕は思ったんだ。毎日あの日の答えを探し続けるのに、飽きた僕は、死んだらいいと。」
「死ぬのであれば、ずっと好きだった人と死にたい。」
「そうだ、あの方法を使おう。」
「だから、あなたを江川と同じようにした。」
「もう用件は分かったでしょ?じゃぁ死ぬか!」
あなたはいきなり
「ヒャヒャヒャヒャ」
と笑った。とても楽しそうな表情をしていたあなたはあなたではなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。