第27話

「明日からしばらく」
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2017/11/14 13:23
私が落ち着くと、大毅は「帰りにくいだろ」と言って大毅の家に入れてくれた。

「茶飲むか?」

「大丈夫……ありがとう」

「おう」

しん、と沈黙が落ちる。

……何か言わないと、申し訳ない。何から言おう……待ってた理由とか説明した方がいいかな。

「今日ね、綾斗さんとデートの予定だったの」

大毅が黙ったまま私を見た。

私は話を続けた。

「10時半に待ち合わせだったんだけど……綾斗さん、来なくて。いつか来るって思って待ってたけど、全然、来なくて」

「あぁ。そうだったんだな」

声が震えてきた私に、“無理して喋らなくていい”と言うように大毅は言った。

……こんな話、聞きたくないはずなのに……。けどその優しさに、かなり救われてる。

「とりあえず明日からしばらくコンビニ行くな。気持ちの整理つくまで。な」

「……うん」

素直にこくんと頷いた。大毅が元気づけるような明るい笑みを浮かべる。

笑いかけられるの、久しぶりな気がする。もちろん、自然な笑顔じゃないだろうけど。

なんだか大毅を利用しているようで、私は罪悪感を感じて立ち上がった。

「じゃあ、私そろそろ帰るね。母さんには適当に言うよ」

「もう平気なのか?」

「うん。ごめん、ありがとね。じゃあ」

笑顔で大毅の部屋のドアを閉める。

……本当は、全然大丈夫じゃない。でも、だからって大毅に頼るのは違うよね。

私は一階への階段を、一段一段踏みしめて下りた。

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