パンッ。
目の前で手を合わせる。
今日はね、バスケ部のOB会に行くんだよ。
一個上の先輩と一個下の後輩。
私が2年生の時のメンバーで。
今日の夜。
居酒屋で飲み会です。
秀也のお墓の前で報告。
秀也の死を知ってから、さらに2年。
私は今、大学4年生。
最初は神崎先生に付き合ってもらってお墓参りに来てたけど、途中から一人で来るようになった。
今でもちょくちょく来てる。
1ヶ月に1回くらいは。
「じゃあ、また来るね。」
私は立ち上がって桶と柄杓を片付ける。
秀也はもうこの世にいない。
だけど、私の心の中にはずっと生き続けてる。
私、まだ、秀也が好き。
秀也はほかの人と幸せになれって言ったけど、まだ秀也以上の人が現れてくれないんだよね。
私の中で秀也が一番。
秀也が世界で一番大好き。
私の大切な人。
秀也のこと、絶対に忘れないよ。
ずっと。
一生。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。