横山said
……
「横山くん!情報見つかった!」
「わかった。すぐ行く。」
後輩刑事のどっくんから声がかかった。
周りを見ると、みんなドタバタとせわしなく動いている。
「みんな、ちょっと集まってくれ。」
「「はい。」」
「それとちょっと、ヒナ。」
「なんや。」
ヒナは同期のめちゃめちゃ仕事できるやつ。でも、ゴリラ。
「……今、あいつに調査してもらってるけど、あれほっといていいんか。」
「まぁ、心配やけどな。なんとかなるやろ。」
「あと、調査中に会っても話しかけんなとか言っとったで。」
「…ったく。ちょっとは考えろって。ヒナはそんなんやからゴリラやねん。」
「…ゴリラと関係ないやろ。」
…
今の状況を説明すると、数日前にきた被害届が事件性が高くみんなに調べてもらってたってとこ。
「被害者は山岸かな子。一見すると自殺に見えるが、何者かによって精神的ダメージを受けていた模様。」
「で、その何者かっていうのが判明した。」
「名前は丸山隆平。自称“死の案内人”。」
…あれ、反応薄い。
まぁそりゃ“死の案内人”とか言われたって分からんよな。
「…で、居場所はわかってるんか。」
一番に口を開いたのはすばる。こいつも頭が切れるやつで頼りになる。ただスケベなところはなおして欲しいが。
「いや、それがまだやねん。」
「けど、もういっこ情報はある。」
「丸山はハッキングが異常に得意、つまりハッカーだということ。」
「じゃあ、下手に動いても無駄やってこと?」
「いや、無駄ではないんちゃう。」
ヤスと大倉が交互に言う。
「今後も情報が入り次第、みんなを集めようと思う。それまでは個々で調べといてくれ。」
……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。