千紗はあの後、少し話して帰っていった。
「はぁ、疲れた。」
私は千紗を見送った後、ベッドへダイブする。
今日も色々あったなぁ。
あ、そうだ。
先生に連絡した方が良いのかな?
ふと、時計を見る。
11時か…。
先生、寝てるかな?
一応、LINEをしてみようと、『おーい!』というスタンプを送ってみた。
その後一旦スマホを閉じて、歯を磨いたり、寝る準備をする。
すると、準備が終わった頃、電話が来た。
「もしもし。」
『どうした?』
「あ、えっと、どうしたって言うか、その…千紗に言った。…っていう事を伝えようと思って。」
『あぁ、そうか。どうだった?って聞きたい所だが、もう早く寝ろ。風邪ひいてんだから。
もう、11時だぞ。』
「はぁーい。」
私は眠そうな声で言う。
『あ、明日来れそうか?』
「うん!多分行ける!」
『じゃあ、明日ゆっくり話聞くから。またな。おやすみ。』
「うん、おやすみなさい。」
私は電話を切って、近くの机に置く。
“おやすみ”って言い合えるのっていいよね。
なんだか幸せ。
私はそんな幸せに浸りながら、眠りについた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。