By.Io
入学式から1週間。今日は土曜日。あたしは妹の紗世と冴那といっしょに家にいた。れおは、入っているサッカーチームの試合があるらしい。昼からなのだけれど、練習が朝からあると言っていた。試合には、紗世と冴那を連れていこうと思っている。何せ暇だから。
今は多分練習中だと思うけれど、れおからLINEが入ってきた。またサボってるんだな―。
「れおにーい!」
ついた瞬間、れおに冴那が飛びついていった。
「おい、痛いんだけど。いお、こいつら見とけよな。このへんあぶねーし。」
「分かってるよー。」
何気に心配してるんだね。弟ながらかっこいい(笑)。
「れおー!アクエリちょうだーい!」
向こうから誰かが走って来た。あっー。
「え?えとー、妹?」
その人は入学式でぶつかった人だった。
By.Kaya
入学式を無事に終え、今日から普通の学校生活が始まる。あたしは春休みの部活見学で初めて会った、伊音ととても仲良くなり、今日は一緒に学校に行く。
「いおー!」
チャイムを鳴らしていおを呼んだ。
「いおー!友達来てんぞ。」
この男の子は誰だろう。確かいおには双子の弟がいると言っていた。その弟だろうか。
「待っててー、伽耶ー。」
いおのことだから、まだ準備が終わってないんだと思う。
「あ、えとー、初めまして。俺、伊音の弟、れおです。」
やっぱり。それにしても伊音と同じく、顔が整っているなあ。シャイなんだろうな。(あくまで予想。)
「葉波伽耶です。よろしく。」
一応自分の名前も言った方がよかったかな?そう思って小さい声で言った。
「ごめん伽耶ー!おそくなった!」
あ、伊音がきた。よかった、この緊張が続かなくて。私の胸はドキドキと大きな音を鳴らした。
By.Chise
朝。私は一番最初に教室に入った。誰もいない教室は静かで、空気が少し冷たかった。席、よく見てなかったな。入学式の日はとっさに座ったから覚えてなかったけど、誰が近くにいるんだろう?私は歩いて名前を見て回った。あっ-。
―溝下奏―
この人知ってる。私の弟のサッカーの試合とかで何度か見かけたことがある。噂では結構モテているらしい。私の後ろの席だった。後ろの席って何かと面倒だな。小学校のころ、よく後ろの人にイタズラされたから。
「おーっ!俺、一番じゃね?」
誰か男子が来た。男子で早いのは意外だな、というか誰だろう?すごく気になったけれど、ここは落ち着いて席についた。
「えっ-。」
一瞬ドキッとした。さっきまで考えていた溝下奏が来たのだから。
「あっ、えっと……、松井千星…さん?」
名前を知っていたからびっくりした。そして、この人が○○さんということに驚いた。いろんなことにびっくりしてポカーンとしていると、それを察して
「あ、俺、溝下奏。同じクラスか!よろしく。」
とてもフレンドリーにしてくれた。けれど、まだ対応に困っていた。
「んと、千星の席って俺の前なんだな。(笑)」
彼はくしゃっと笑って見せた。その様子はなにか、キラっとした感じがした。ほかの人とは違う…。
「う、うん。えっと……奏はなにか部活に入るの?」
「いや、俺はサッカーチーム入ってるから。」
「そうなんだ。」
今はこの沈黙さえも心地よく感じられた。
By.Kiyo
あの人は、誰だったっけ?未だにぶつかった人の顔を思い出す。んー。考えても仕方ないな。
今日から普通の学校生活が始まる。ちょっと戸惑いがあるけれど、私のクラスはいい人が多そうでよかった。(極度の人見知り。)
「ねぇ、希夜。クラス表見に行かない?」
伽耶が走って来た。休み時間が唯一の救いだ。
「うん!」
そういえば、全員確認してなかったな。ドキドキで自分のしか見てなかった。
「うちの学校は人数多いねー。」
「そうだねー。」
ふと、パッと見た時……
―葉山凛斗―
その名前が目に飛び込んできた。この人だ-。私の楽譜を拾ってくれた人。
「おーい!凛斗ー!」
男子の声がした。凛斗くん、意外と人気者なんだな。ちょっと気になる。この気持ちをなんというんだろう?
『恋』なのかもしれない。
#1 恋の予感
END












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!