小学4年生の冬、あなたは新しい学校に転校した。
少しのワクワクと、少しのドキドキを持って、初日、学校に向かった
ザワザワ…
少し緊張しながら自己紹介を終え、先生に言われた席に座った。
先生は、女の人で若いかわいらしい人だった。子供の私が言うのもなんだけど…
キーンコーンカーンコーン
授業が終わり、休み時間になった。その途端、人が私の机の周りにたくさん集まって来て、
次々に質問が飛んできて、私が戸惑っていると、
と、男の子の声がした。
そうだよね、何か、ゴメンね…と、みんなが私に言った。
かなめは、みんなからの信頼も厚そうだった。さっきのことも、一言言っただけで、みんなが私に謝るぐらいだから。そういえばかなめ、授業中も冗談やおふざけで、みんなの気分を明るくしてたっていうか、みんなを笑わせてた。
そんなことを思っているうちに、チャイムが鳴った。
何か、かなめって面白いし、優しいところもあっていい人だなー。そう思いながら席に座った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!