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第1話

恋ですか?
27
2017/12/02 16:15 更新
20代の私は、仕事を転々としていた。
どこの職場に行っても人間関係で続かず、辞めてしまう癖がついていた。
でも、簡単に仕事を辞められても生活に困るだけ。
だから次を早く見つけなきゃと焦って、ようやく見つけた転職先。
そこは、食べ物に関わる職で色々難しいかな?って思ってたらそうでも無くて私でも簡単に仕事を覚えることが出来た。
そこの仕事は、出来るようになればなるほど面白く感じていた。
でも、問題の人間関係は最悪だった。
「あなたさん、これはこうじゃないでしょ!」
「あなたさん、分からないことは聞いてって言ったでしょ!また直さないといけないから時間の無駄なのよ!勝手な事しないで!」
20代で最年少で新人だったってこともあり、ベテランのおばさん達に強く言われたりすることもあった。
みんなから嫌われているおばさんは、他人の粗探しや揚げ足を取るなど最悪な人だった。
だけど、私は簡単に辞めても次を見つけていないと強く思い辛抱して仕事を続けていた。
そんな日々を送っていると、同じ職場の男性とよく話をするようになった。
とても積極的に声をかけてくれて、優しくしてくれる人で私は会う度にドキドキしていた。
その反面、こんなおじさんにドキドキして変!って思っていたのも事実だった。
だけど、日に日に心惹かれていることに気がついた。
朝早くに来ると、次に来るのがその男性でなんとなく2人でいる時間が長くなって・・・
でも、私には分かっていた。
男性は、私のこと好きじゃないってだって多分だけど結婚もしてると思うし・・・お子さんだっているんだろうなって・・・。
でもどうしても知りたくて、その男性が休みの日周りに聞いてみた。
「あなたってご結婚なさってるんですか?」
「あなたさんは、結婚して娘さんがいるみたいだけど奥さんとは別れたって聞いてるよ」
「あなたさんは、バツイチなんですね?」
「うん」
とても仲良くしてくれるおばさんが教えてくれて、私はとてもテンションがあがった。
1度、食事に誘ってみようかな?って考えてたところだったから尚更。
そして、次の日驚いた事が起こった。
その男性は、私とあまり変わらない若い女性と職場に来たのだ。
「言ってなかったよね?俺の娘」
「・・・娘さん」
「あなたさんとそんなに歳変わらないと思うから、よろしくね」
私は、なんだかモヤモヤした気持ちになってしまった。
男性の事は心から好きだけど、いざ娘さんを見ると・・・。

それから時が経ったある日の朝。
冬の朝は、寒いからヒーターの前に立っていた。
すると、男性が出勤してきた。
「おはよ!」
「おはようございます」
「寒いね」
「はい、冬ですからね」
「だね」
「・・・」
「・・・あなたさんってバツイチ子持ちと付き合える?」
「え?」
私は、突然の質問にびっくりした。
「いや、俺の勘違いなら良いんだけど。俺のこと好きじゃない?」
きっと、男性は自分の事を自意識過剰かな?と思いながら質問してきたに違いない。
そう思いながら私は
「・・・私、あなたさんの事好きかもしれないです」
と思い切って伝えてみた。
すると、次から次へとおばさん達が出勤してきた。
だから答えが聞けないままだった。
(きっと、ダメだったんだ。私の想いは無くすしかない)
そう思っていた。
でも、その日のお昼休み
男性が隣に座ってきて、1枚の紙をくれた。
紙には、電話番号が書いてあった。
「それ、俺の・・・もしその気があったら連絡して」
男性はそう言って自分の席に戻ってしまった。

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