第54話

瞳の色 と 入学.
352
2018/02/08 14:29
私のその質問に、ふとレオの足が止まる。
私は何となく、彼の背に呼びかけることも、もちろん顔を覗き込むことが出来なかった。
しんと静まりかえっている森の中で、レオの声だけが聞こえる。
レオ
何にもない時は普通の目。でも、食事の時間とか獲物を見る目は紅い。
レオはゆっくり振り向く。
私はその目に、あっと息を飲んだ。
青く、リカルドさんのように美しい目は赤く染まっていた。
レオ
…俺の瞳、何色?
少し低く、落ち着いたその声に緊張が走る。しばらく、私は声を出せそうにもなかった。
レオ
見ての通り、俺、エドと同じだから。生徒会役員はみんな、そうだから。
そう言うと、レオは下に目を落とした。
私はその目に戸惑う。
レオ
ま、エドとの事があったし、やっぱりお前の入学は認めない。
あなた

……は?!

レオ
だから、
レオは視線を落とし、続けた。
レオ
お前の入学を承諾しない。
あなた

…?

プリ小説オーディオドラマ