此処が何処なのかも、
どれくらいの時間が経ったのかも、
俺が今どうなっているのかも、
全てが曖昧で、ただ分かることがあるとするならば
後少しで日が完全に沈む…と言う事だけ。
暗い空に月光が輝き、何事も無かったかのように
周りは静かだった。
風が草花を揺らす音だけが、響いた。
水で濡れた身体は今はもう身体としての機能が無く、
ただ風に当たり寒さを感じるだけ。
厚着もしている訳でも無く、
普通に上下共に布で出来ていて薄い。
段々、足元が腐っていくような、
感覚を感じなくなっていくような、
今はもう、死になくないと言う考えをするだけで
精一杯だった。
此処まで来たんなら誰でも良い。
どれだけ残虐な人が来てもこれからまるで生き地獄になっても別にそれでいい。
ただ単に、死になくない。
死ぬのが怖かった。
?「、、、あれ、こんな所に人…?」
?「誰だろっ、、、て」
?「え、ユウシ…?」
?「濡れてる…」
何故か物凄い違和感を感じた。
さっきまで寒かったのが急に暖かくなって
でもいきなり気温が上がることなんて
早々あり得ないし。
?「あ、起きた?」
思い瞼を開け、思い身体を起こすと同時に
目の前には目を疑う程の美貌の持ち主が居て、その背景には
考えれないくらいの豪華な金色の飾りと壁があって、
何故か、ふかふかで本とかにしか出てこない
ベッドを囲うカーテン?がついていて、、、、
?「あっ、ごめんね」
?「この世界ではまだ初対面だったね」
そう言って、白馬の王子様のビジュを持った人が
俺の手を取り、そっと口をつけた。
🌷「俺はシオン」
🌷「勇志くんの、、、友達とでも言っておくね」
なんで、俺の名前を知っているんだ
あの幼い顔をした子もそう、なんで俺の名前を…
しかも、友達…?
この…シオンって言う人と…俺は初対面な筈じゃ、?
🌷「そんな怖がらないで、」
🌷「勇志くんが道で倒れていたから保護しただけだよ」
⭐️「ありがとうございます…?」
気付けば、服も着替えられている。
え、まって、つまり、俺服脱がされたってこと、?
そんな事を考えると、
頭の中がパンクしそうだった。
恥ずかしさのあまり顔が赤く染まっていくのが分かる。
🌷「安心して、何が起きてたのか、教えてくれる?」
若干、疑いながら気晴らしにと、俺は今まで起こった
全てのことをシオンに話した。
俺の住んでいた国が焼けていたこと。
黒い鎧を着た騎士が居たこと。
金髪の幼い顔をした偉そうな人に追いかけされたこと。
川へ飛び込んでそこから記憶が無いこと。
全てを話した。
忽ち、金髪の幼い顔をした人と言えば
心当たりがあるかのように「サクヤか…」と独り言を零していた。
どうやら、あの人はサクヤと言うらしい。
🌷「…此処がバレ始めるのも時間の問題か」
⭐️「え、っと…今何が起きてるのか…分からないんだけど」
🌷「いや、勇志を守らなきゃ…」
質問しても聞く耳を立てないかのように
独り言を呟くシオン。
なんだ、
これは俺が思っているより深刻な事…なの?
⭐️「うわぁっ、」
すると、いきなり背に手を回され
俺はシオンの身体に包まれた。俺の肩に顔を埋めながら
ずっと、1人で「もう失いたくない」とぶつぶつと。
何が起きてるの?今どうなってるの?
そう質問しても、ただ悲しそうな顔をするだけ、
⭐️「あのっ、そろそろ…会わなきゃいけない子がいて__」
あの国の火事で、皆避難できたのか
子供達はどうなったのか、それが確認したかった。
するとシオンは驚いた表情をして固まった。
その時、俺はシオンに肩を押し倒され
そのままシオンは覆い被さるように俺の手を掴んだ。
🌷「何?俺以外の奴がいるの?」
🌷「誰?勇志が俺の事を差し置いて気になる人って。」
🌷「いつから、そんな風になっちゃったの?」
🌷「もしかして…もう1回躾が必要かな?」
そんな風に押し詰めるシオンの顔は
さっきまでの優しそうな瞳とは裏腹に"飢えた瞳"を宿した。まるで、猛獣が獲物を狙っているかのように。
そんな目を、素直には見れなくて少し目を逸らす。
🌷「こっち、見て。」
🌷「勇志くんは俺のモノ。」
🌷「他の奴なんてさ、見ないでよ」
段々、俺の手が強く縛られていき痛みで顔が歪んでいく。
なんで、なんで俺が、
何もしてないのに、なんでこんなに、
🌷「これから、俺と一緒だよ、ずっと、永遠に…♡」











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!