第16話

十三頁目
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2024/06/26 22:34
とりあえず、ナゾの祓魔師のルキアと共にムジナの方に向かう。

ルキアはその前にチョークを見つけてそれを回収していたけど。

しっかり者に見えるけど割とマイペースだなぁ…アイツ。

走って、走って、ムジナの近くにまで接近した瞬間だった。

ルキアの片目が急に赤くなった。『狙撃手の眼』と呼ばれているあの、祓魔師である証とも言える不思議な模様が刻まれたあの目が。
金森祐治
うおっ。
六戸ルキア
視認完了…っと。
その声と共にルキアはチョークをムジナに投げつけた。

彼の投げたチョークは最初、弧を描くように飛んだが、直後軌道を変えて鋭利な弾丸のようにしっかりと顔面目掛けて飛びぶつかり砕け散る白いチョークを俺ら3人は呆然と見ていた。

江村いつき
なんだコレ、チートかよ
霖堂霊夜
さっすが、狙撃手の眼…。
江村いつき
俺も何か探して来る。
金森祐治
や、多分これルキアと霊夜だけに任せた方が良い気がする。
霖堂霊夜
あ、行っちゃった。
金森祐治
そーだ、アイツ今耳聞こえないんだ。
そして、ルキアの攻撃に怯んだムジナに対して俺が1発ぐーをお見舞いしようとしたが、ひらりとかわされた。しかも逃げやがった。
金森祐治
あっ!アイツ、また逃げようとしてる!
六戸ルキア
はいはーい、僕に任せてろー?
霖堂霊夜
お願い
攻撃しようとする俺、逃げるムジナ、そしてそれを炙り出すルキア、更にそれを傍観している霊夜。うん、よくわかんねぇ構図だ。

いつき、はよ戻って来てくれ。俺の体力が限界使えるかルキアの持ってるチョークが尽きる前に。
江村いつき
…空き缶ならあった…!
金森祐治
お、でかした!そのままその空き缶蹴飛ばしてくれ!
江村いつき
…???
霖堂霊夜
いや…いつき、今耳聞こえないんだって。
金森祐治
悪い、いつも忘れかける。
そして俺が蹴飛ばしてとジェスチャーでいつきに指示を出すと同時にムジナを追い込めるかとルキアに尋ねてみる。
六戸ルキア
はーい。任せてくださいよぉ
霖堂霊夜
じゃあ、僕が合図を出すね。で、宇治は封印頼んだ!
金森祐治
お!頼んだ…って…ゑ!?
そして、霊夜が2人に合図を出して、俺が封印することになった。

封印方法は超簡単で、ムジナにお札を貼り付けるだけらしい。なら俺にも…出来るか阿保。
霖堂霊夜
2人とも、GO!
霊夜の合図でルキアは2本のチョークを飛ばしてムジナの逃げ場を無くした後、いつきが空き缶を蹴飛ばして攻撃を仕掛けた。

攻撃は見事に命中。俺は動けなくなっているムジナに札を貼り付けて封印完了。

みるみるうちに結界が消え、いつも通りの学校に戻っていく。七不思議の1つが解決されたんだという達成感と解放感に安藤した俺はその場にへたり込んでしまった。
江村いつき
あ、先輩、大丈夫っすか?
金森祐治
大丈夫、緊張が解けただけ。
霖堂霊夜
いやー、大変だったねぇ
六戸ルキア
ですねぇ。
じゃ、先輩の皆さん、明日学校で会いましょー。
そしてルキアは帰って行った。

猫みたいなトリックスターだったな、アイツ。
江村いつき
じゃ、俺も帰ります。疲れた。
霖堂霊夜
じゃーねー。
霖堂霊夜
祐治、私らも帰ろっか。
金森祐治
だな。時間も時間だし帰ろうぜ。
現地でそのまま解散して俺らは帰路に着いている途中、霊夜に謎の連絡があった。
霖堂霊夜
待ってて。
霖堂霊夜
はい、はい。
七不思議の1つ、解明しました。
霖堂霊夜
いえ、私、江村、六戸そして新たな祓魔師1名の累計4名での交戦でした。
霖堂霊夜
…!は、はい!わかりました。彼を連れて向かいます

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