とりあえず、ナゾの祓魔師のルキアと共にムジナの方に向かう。
ルキアはその前にチョークを見つけてそれを回収していたけど。
しっかり者に見えるけど割とマイペースだなぁ…アイツ。
走って、走って、ムジナの近くにまで接近した瞬間だった。
ルキアの片目が急に赤くなった。『狙撃手の眼』と呼ばれているあの、祓魔師である証とも言える不思議な模様が刻まれたあの目が。
その声と共にルキアはチョークをムジナに投げつけた。
彼の投げたチョークは最初、弧を描くように飛んだが、直後軌道を変えて鋭利な弾丸のようにしっかりと顔面目掛けて飛びぶつかり砕け散る白いチョークを俺ら3人は呆然と見ていた。
そして、ルキアの攻撃に怯んだムジナに対して俺が1発ぐーをお見舞いしようとしたが、ひらりとかわされた。しかも逃げやがった。
攻撃しようとする俺、逃げるムジナ、そしてそれを炙り出すルキア、更にそれを傍観している霊夜。うん、よくわかんねぇ構図だ。
いつき、はよ戻って来てくれ。俺の体力が限界使えるかルキアの持ってるチョークが尽きる前に。
そして俺が蹴飛ばしてとジェスチャーでいつきに指示を出すと同時にムジナを追い込めるかとルキアに尋ねてみる。
そして、霊夜が2人に合図を出して、俺が封印することになった。
封印方法は超簡単で、ムジナにお札を貼り付けるだけらしい。なら俺にも…出来るか阿保。
霊夜の合図でルキアは2本のチョークを飛ばしてムジナの逃げ場を無くした後、いつきが空き缶を蹴飛ばして攻撃を仕掛けた。
攻撃は見事に命中。俺は動けなくなっているムジナに札を貼り付けて封印完了。
みるみるうちに結界が消え、いつも通りの学校に戻っていく。七不思議の1つが解決されたんだという達成感と解放感に安藤した俺はその場にへたり込んでしまった。
そしてルキアは帰って行った。
猫みたいなトリックスターだったな、アイツ。
現地でそのまま解散して俺らは帰路に着いている途中、霊夜に謎の連絡があった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。