第24話

第五夜『月光の裏側で』
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2025/05/13 09:58 更新


1日の授業が終わり、ようやく夕食の時間。


朝と昼は好きな席で食べることが許されているが、夕食だけは寮ごとに別れて食べるのが、エクリシアのルールだ。

ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
あぁ………終わった…夕飯だ……
カコ・レイニー
カコ・レイニー
…こんばんは、ノアさん…
ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
ん?あ、カコか…こんばんは
カコ・レイニー
カコ・レイニー
お疲れだね…
ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
今日、飛行術あったから
カコ・レイニー
カコ・レイニー
なるほど…苦手なんだっけ…?
ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
はい、とても…
カコ・レイニー
カコ・レイニー
お疲れ様…
ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
ありがと
カコ・レイニー
カコ・レイニー
…じゃあ、私…あっちだから…
ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
あ、うん、じゃあ


大広間には、魔法の燭台が天井でふわりと浮かび、穏やかな光を放っていた。


生徒たちはそれぞれの寮のテーブルに分かれて座り、温かな食事を前に談笑している。


ルーメリア寮のテーブルでは、ノア、グレア、シエル、真名が向かい合って座っていた。

その向かいにはヴァリオス寮、さらに離れてノクスフォード寮、エルミナ寮の生徒たちがそれぞれに集まっている。

キャロル・サンライズ
キャロル・サンライズ
はーい!みんな聞いてねー!


キャロル先生の声が広間に響いた。


そして、アウル校長は壇上に立つと、軽く手を振って生徒たちに笑いかけた。

アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
授業初日、お疲れ様!
アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
1年生の諸君!初めての魔法授業はどうだったかな?
アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
この学園には、たくさんの『まだ見ぬもの』が眠ってる
アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
知識も、力も、自分の中の可能性も、そして……ちょっと不思議な運命とかもね


目を細めて、少し声のトーンを落とす。

アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
だから、ここで過ごす時間は、ただの“勉強”だけじゃない
アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
自分の“芯”とか、“夢”とか、“どうして生きてるのか”ってことを、ふと考えるような瞬間もあるかもしれない


そしてすぐに、ぱっと顔を明るくして、肩をすくめた。

アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
ま、そういうの、全部ひっくるめて“魔法”ってことで!
アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
先生たちは見てるからね!
ちゃんと楽しみながら、やる事やりなよ?


最後に姿勢を正し、ほんの少しだけ真剣な声で結んだ。

アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
この一年が、皆さんにとって、かけがえのない時間になりますように
アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
心から、そう願っています


一礼すると、大広間にはあたたかな拍手が広がった。


そして、
アウル・ジョーカー
アウル・ジョーカー
それじゃ!宴を始めよっか!


その一言で、大広間はわっと賑わいを見せた。

アメ・ヘルキャット
アメ・ヘルキャット
いただきます!!
ヴァイス・カメリア
ヴァイス・カメリア
ッ……?!
セオドア・サッチ
セオドア・サッチ
ここまで聞こえんだな、あいつの声
ヴァイス・カメリア
ヴァイス・カメリア
!!セオドアさん…
セオドア・サッチ
セオドア・サッチ
大丈夫?あんた、声でかいの苦手だよな
ヴァイス・カメリア
ヴァイス・カメリア
…ッ…えぇ…ですが、一瞬でしたので、もう大丈夫です
ヴァイス・カメリア
ヴァイス・カメリア
ご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした
セオドア・サッチ
セオドア・サッチ
別に迷惑じゃないから、安心しろって
何時でも頼ってきていいんだかんな〜
セオドア・サッチ
セオドア・サッチ
あんた、頑張ってるし(ワシャワシャ
ヴァイス・カメリア
ヴァイス・カメリア
んわっ?!ちょ……あり、がとう…ございます…


リーテ・インテレース
リーテ・インテレース
流石セオドア
人の心に入るのが上手い
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
皮肉にしか聞こえませんね
リーテ・インテレース
リーテ・インテレース
別に皮肉で言ったつもりはないケド
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
よっと!2人ともお疲れ様〜
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
アリシアじゃないですか、教員席あっちですけど
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
まぁまぁ、そんなお堅いこと言わんといてや〜?
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
それに、自分ご飯食べ終わったし
リーテ・インテレース
リーテ・インテレース
はや…
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
どうせ今日のデザートがキャラメルチーズケーキだからでしょう、わかりやすい
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
あははっw 流石やわ〜
それに、教員が夕食時に生徒に話しかけに来ちゃあかん、なんて校則もないしな!
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
……で、さっさと本題入ったらどうです?
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
あ、そうそう
これはグリアちゃんになんやけど…
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
最近ちゃんと眠れてる?
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
悪くはねぇですけど、変な夢は見ますよ
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
夢…?
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
そう言った、2度も言わせるなです
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
相変わらずやなぁ…w
……にしても夢か…
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
あんまりにも酷かったら、医務室行くんやで?
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
…うるせぇです、言われなくとも行きます
アリシア・カルメリア
アリシア・カルメリア
うんうん!そうしぃや〜
んじゃ!そろそろデザートの時間やから!
グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
さっさと行けです
リーテ・インテレース
リーテ・インテレース
(……典型的なツンデレ…?)


グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
…………


____ 夢


どこかの古い廊下に、古びた石造りの壁。


目の前には閉ざされた大きな扉。


そして、どこかから聞こえてくるくぐもった男の声。

グリア・デスハッピー
グリア・デスハッピー
チッ……意味わかんねぇです


そんな会話が繰り広げられていたことも知らず、エルミナ寮の机ではまた別の話がなされていた。

ニゲラ・アシュビー
ニゲラ・アシュビー
そういえばさ、エルミナの暖炉、今年は微妙に温度低い気がしない?
神魎星 月霞
神魎星 月霞
私もそんな気がしていました
ルラン・ビアマス
ルラン・ビアマス
え?そうでしょうか…?
…いや、でも確かに…
咲崎 歌
咲崎 歌
そうなのぉ?
ニゲラ・アシュビー
ニゲラ・アシュビー
そうだよー
ルラン・ビアマス
ルラン・ビアマス
戻ったら温度測ってみますか?
神魎星 月霞
神魎星 月霞
そうですね…
恐らく、キート先生が今までのデータを持っていらっしゃると思いますから、伝えに行きましょうか
咲崎 歌
咲崎 歌
キート先生って誰ぇ?
キート・リイス
キート・リイス
俺だよー
咲崎 歌
咲崎 歌
わっ!!びっくりしたぁ…
キート・リイス
キート・リイス
ごめんごめん
キート・リイス
キート・リイス
で、俺がどうしたの?
ニゲラ・アシュビー
ニゲラ・アシュビー
実は、談話室の暖炉が、微妙に低い気がしてて
神魎星 月霞
神魎星 月霞
温度測りたいのですが、今までの温度データとかありませんか?
キート・リイス
キート・リイス
あぁ、それなら俺が持ってるから、夕食が終わったら寮に持っていくよ
ニゲラ・アシュビー
ニゲラ・アシュビー
本当ですか?ありがとうございまーす!
キート・リイス
キート・リイス
どうしたしまして
キート・リイス
キート・リイス
それはそうと…
君は、新入生のウタだったね
咲崎 歌
咲崎 歌
うん、そうだよぉ!
キート・リイス
キート・リイス
相談事とか何でも聞くから、どんどん話しかけてね
咲崎 歌
咲崎 歌
はぁい!ありがとぉございます!




夕食の時間が終わりを迎えつつあった頃。


大広間の隅で、眠たそうな目をしている防衛魔法の教師 ー ライオ・ウェルアナスタシアは、ルーメリア寮のテーブル近くのソファ席にだらりと座りながら、パンをかじっていた。



ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
ふあぁ〜…防衛魔法の期末、また実技メインにしようかなぁ〜めんどいし
グレア・エラー
グレア・エラー
お前、毎年同じこと言ってるな
ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
お前、じゃなくて先生ねー


隣に座っていたグレアが苦笑しながら言うと、ライオ先生はパンをちぎりながら、ぼんやりと上の燭台を見上げた。

ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
いやぁ…ほら、呪文詠唱の採点とかさ、あの長ったらしい文字読むのやなんだよねー
ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
それに、実技見てた方が、何となくわかるしー?
シエル・フェンリル
シエル・フェンリル
でも、さっきアイノ先輩が言ってましたよ!
藍乃 真名
藍乃 真名
『防御魔法の基本構築、去年と違ってたんだよなー』
シエル・フェンリル
シエル・フェンリル
って
ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
んー?あーちょっとだけど
ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
地下の何かがちょっと揺れてるっぽいからさー
シエル・フェンリル
シエル・フェンリル
地下?
ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
何かある気がしたんだけど、面倒でUターンして来たんだよねー
ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
………
ライオ・ウェルアナスタシア
ライオ・ウェルアナスタシア
まぁー気のせいかもしれないから、気にしない方がいいと思う


そう言って、またパンにかぶりつくライオ先生。


気になる発言をさらっと口にしながら、まるで興味がなさそうに目を細めた。

ノア・オルフェス
ノア・オルフェス
本当、先生って、すごいのかよくわかんない人だよな…


ノアが小さく呟いたが、それに返事が返ってくることはなかった。


ライオ先生はすでに、ゆっくりとソファに沈み込むように目を閉じていた。


学園に広がる、柔らかな時間。


だがその裏で、静かに動き始めている影に、まだ誰も気づいていなかった。



久しぶりすぎますね、殴ってください


実は、皆さんに1個だけお願いがありまして…


ペット(フクロウなどの、郵便を届けられる動物)の種類と、その名前を考えて頂きたいです!!

本編にきちんと出すかどうかは分からないのですが、フクロウ便などを出す事があるかもしれないので💦

決まったら、ここのコメント欄にお願いします🙇‍♀️



ちなみに、うちの子(ノア)のペットは、

白フクロウで、名前をアルバとしました🥰


あ、ルーンはもう設定の時点で書いてくれてたから、大丈夫!!

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