あの日以来、夜撫は謎にぼくのほうに寄ってきてくっついてくるようになった。
ぼくにとって何故かそれが嬉しかった。
ぼくたちは手を繋いだまま本部に戻った。
嗚呼、何時もと同じだ。
こんな日々が、ずっと続けばいいのに…
私は、何時もそんな呑気なことを考えている。
ある日、私は蒼にぃに呼び出された。
蒼にぃが私を呼び出すなんて珍しい。
どうしたんだろう。
一緒に行きたいのかな。
いやいやまさかね。
蒼にぃのことだからきっと……
そんな妄想を膨らませていると、蒼にぃは思いもしなかったことを言い出した。
そう言うと私の耳許でこう囁いた。
そして私の手にペアチケットを押し込み、肩に一瞬手を掛けて何処かに行った。
私はそのまま士郎くんの元へ向かった。
すると士郎くんの表情がパッと明るくなった。
そして次の休日に行く事になった。
後日、私達は感動系の映画を観に行った。
けど士郎くんって泣ける映画!!的な奴で泣くのかな…
私はこういうのは絶対泣く人なんだよね……
士郎くん意外と泣いたりする?
映画鑑賞中
うっそ。
普通に泣いてる。
一方私はというと……
見事にボロ泣き☆
あの映画は泣かしにきてる。
他の見た人もめちゃくちゃ泣いてる。
これほんとに泣ける映画だった。
菊地原side
その日の夜、ぼくは悪夢を見た。
なんか、こう……定番の。
なんか殺されるかんじの。
そのまま目の前で、夜撫に似てる人が殺された気がして目が覚めた。
嗚呼、あれは夜撫だったんだ。
生きてて……よかった……
何時もの夜撫だ…
よかったぁ……
すると夜撫は、ぼくの手を握った。
聞こえてるよ。
※これは夢です。
その声と一緒に、奴はこう言った。
そして、発砲音と共に夜撫が殺された。
そして、夜撫はぼくをそっと抱き締めた。
ぼくはその安心感からか、そのまま泣いた。
初めて声をあげて泣いた。
"約束だよ"
続く
突然ですがアンケート!!
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答えてねん
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!