[ブーーーッ、ブーーーッ]
耳元のスマホのアラーム(というかバイブ音)で目が醒める。
夢を見ていた。
…昔の夢だ。
昔遊んでくれたお兄さんの夢。
何故か彼の名前は覚えていない。
呼び名も朧げにしか覚えていない。
なんだっただろうか。
彼はまだ僕のことを覚えていてくれているだろうか。
時々、僕の事をおもいだしてくれているだろうか。
今は元気に暮らしているだろうか。
…いや、彼の戯れで遊んでもらっていたような自分のことなど、憶えていすら無いだろう。
そんな、淡い希望を振り払う。
もう会えないような人を願ったって、何もない。
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同居人の朝食が終わると、遠山麻子に呼び出された。
まぁ、どうせ何か言われるのだろう。
あいつらはいつでも僕のことが気に入らないのだから。
横に居る杏里に、形ばかりの感謝をする。
…………感謝、する気一ミリも無いけど。
家を出る。
[ガチャ]
[トコトコ]
[ガタンゴトンガタンゴトン]
[トコトコ]
学校に着いた。
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[キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…]
この子は原田琳花だ。
小学校でできた友達だ。ソフトボール部のキャプテンを勤める運動神経抜群で茶目っ気がある爽やか美人。
こっちは関根由衣。こっちは中学からの友人だ。
父親が外国人だそうで、亜麻色の髪に青い目をする美人さんだ。
ちなみに無気力気味に話している天才(超賢い)が米沢圭、騒がしいチャラ系が岡島透だ。
よく知らないがオムツ時代からの腐れ縁らしい。
そう。
琳花は圭のことが好きだ。大変わかりやすいのだが本人はどうやら僕達以外にはバレていないと思っているらしい。
いつもこうだ。
自分が厭になる。
みんなが日常的に感じる『感情』を僕は感じ取れない。
昔は確かにあったのに。
みんなが楽しそうな時に僕は僕自身に問いかけてしまう。
「タノシイッテ、ナニ?」
と。
…本当は僕もみんなと一緒に笑いたいよ。
新しいことに目を輝かせたいよ。
僕にはそれができない。
『感情が無い』から。
ジグザグの無感情が ボクを作り上げる
どうしたって心から笑えないの
どうして?
…問いかけても、こたえなんかないのに。
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今回使った
































編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。