第17話

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2026/06/15 07:09 更新
hj
じゃあ、僕はここまで。あなたちゃん、そのスケッチブックで素敵なヨンボクを描いてね。
hj
……ヨンボガ、お大事に笑



ヒョンジンはそう言って、ひらひらと手を振りながらスマートに去っていった。




去り際、フィリックスの肩を、






ファイト♡と小突くいた。







夕方、2人は貸し切りのスタジオに戻ってきた。





あなたは早速、ヒョンジンに買ってもらった新しい水彩紙のスケッチブックをデスクに広げ、




嬉しそうにページをめくっている。







あなた
リクス、体調はもう大丈夫?



お気に入りのソファに座るフィリックスの前にしゃがみ込み、



あなたは本気で心配そうな目を向けた。




fl
う、うん……本当に大丈夫だから、心配しないで、あなた。
fl
ちょっと、歩き疲れただけだから……



フィリックスはバケットハットを脱ぎ、クッションをぎゅっと抱きしめながら力なく笑った。






(これはあなたのせいなんだよ……)







なんて、プライドが邪魔をして口が裂けても言えない。




あなた
そっか、よかった。あ、リクス、ちょっとそのままでいてね



あなたは液晶タブを膝に乗せると、






クッションを抱きしめて少し小さくなっているフィリックスの姿を、




再びじっと見つめた。






あなた
今の、クッションに顎を乗せてる角度、すごく可愛い。
あなた
クールなリクスも格好よかったけど、今のちょっとオフな感じ、すごく弟っぽくて可愛い。
あなた
あ、リクスはオッパなんだけど、幼い一面も見えてすごく愛おしいっていうか……母性というか…



サラサラと画面にペンを滑らせながら、またしても爆弾発言を連発するあなた。




fl
かわ……いい……



フィリックスは抱きしめていたクッションに完全に顔を埋めた。







格好いいオッパになりたいのに、あなたの中では、最高の被写体……




かつ可愛い弟分として処理されている。







この凄まじい認知のズレに、フィリックスの心臓は休まる暇がなかった。






fl
あなた、ちょっと僕、あっちで冷たいお水飲んでくるね……っ!



限界を迎えたフィリックスは、




あなたの視線から逃げるように慌ててキッチンへと避難していった。


















その頃、Stray Kidsの宿舎。







リビングでは、ハンとリノ、そしてバンチャンが、






ヒョンジンから送られてきたカトクの画面を囲んで大爆笑していた。







hj
『【速報】画材屋の棚の前であなたちゃんの「リクスを閉じ込めたい」というパワーワードを喰らい、イ・ヨンボク氏、無事死亡』
hj
『あなたちゃん、本気でヨンボクの体調を心配して病院に連れて行こうとする』
hn
ヒィーーーーーー!笑 完全に負けてる!


ハニがソファの上でのけぞって腹を抱える。



lk
あいつ、格好つけて兄貴ぶろうとするからそうなるんだよ


リノがニヤニヤしながら、画面の文字をスクロールした。



bc
でもあなたちゃんも凄いな。閉じ込めたいって、普通の男なら勘違いするレベルだぞ。
bc
それを完全に絵の話として言えるの、強すぎる笑


バンチャンも笑いながら頭を抱えつつ、愛おしそうに目を細めていた。



lk
今まで、可愛い妹を応援したいっていう純粋な気持ちで動いてたから、自分の恋心にブレーキかけまくってるんだな。
lk
でも、あなたちゃんがそのブレーキを毎日破壊してくるから、キャパオーバーしちゃってるんだよ
hn
これはあれだな



ハニがチキンを口に放り込みながら、ニヤリと笑った。




hn
リクスが自分の気持ちを認めて、さらにあなたちゃんが、一人の男としてのリクスに気づくまで、あと3年くらいかかるんじゃない?笑
lk
ヨンボク、がんばれよ〜……





と、遠くのスタジオにいるメンバーに生温かいエールを送る3人。














その頃、スタジオのキッチンで冷たい水を一気に飲み干していたフィリックスは、






トク、トク、と未だに早く脈打つ自分の胸に手を当てていた。









(……閉じ込めたい、か。僕だって、あなたを…………ずっとここに閉じ込めておきたいって……思っちゃうよ)








それが境界線を、とうに踏み越えてしまっていることに、






フィリックスが気づくのも、そう遠い未来の話ではなさそうだった。










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