第3話

イキル # 3
459
2024/01/23 23:00 更新
👑side



最近、すちくんがおかしい。


カッターで遊んでいた日。


かすかに鼻をかすめた血の匂い。


もしかしたら…なんて、考えた。


もしかしたら美術の立体芸術で怪我をしたのかも。


でも、すちくんがそんなへまをするとは思えない。


日に日に濃くなっていく血の匂い。


今日もまた、濃くなっていたら聞く。


「なにかあった?」


それだけきけばいいんだ。


すちくんのことだからきっとなんともないよ。


大丈夫。


今日はそれを聞くためにすちくんより早く学校に来た。


教室に入るとすちくんはまだいない。


大丈夫…大丈夫…。


自分に言い聞かせる。
🎼 🍵
んぉ…?みこちゃんおはよぉ…(にこっ
そんなことを考えてるとすちくんが登校してくる。


すちくんはいつも通りのんきにあくびをして自分の席へと座る。


ようわからんけど緊張してきた…(


つんと、鼻を刺すような血の匂い。


また。濃くなった。


聞かなきゃ。


何か行動に移す前に。
🎼 👑
……ねぇ、すちくん


できるだけ自然に話しかけようとする。


すちくんを少しでも不安にさせたくないから。
🎼 🍵
ん〜…?どうしたの…?
いつも通りの声色で返事をくれるすちくん。


本題に入らなきゃ。
🎼 👑
えっと……リスカ…と、か…しとらん?
🍵side




🎼 🍵
っぇ…っ…


なんで?

なんでなんでなんでなんで

なんでばれたの?

元気に振る舞えてなかった?

包帯見えちゃってた?

カッターに血でもついてた?

なんでばれたの?

なんで、なんで、

よりによって友達にばれたの?

信頼出来る、数少ない友達に
🎼 👑
別に違ったらいいんやけど…!!
なんてみこちゃんはいうけど、こっちは図星。


ここから逃げたい。


自分をもっと汚して価値のないものにしたい。
🎼 ☔
すーちくんっ!
🎼 🍵
ぅわッッ…!?
逃げようとしたところにこさめちゃんがきた。


なんで


俺の好きにさせてよ。


関係ないじゃん。


こさめちゃんには大事な友達、いるじゃん。


なんで俺なんかに構うの?
🎼 ☔
なにかあるなら…こさめにも相談してねっ?


身長が大幅に違うこさめちゃんはそれを上手く使って


上目遣いでお願いしてくる。

🎼 🌸
すち…俺でも、みことでも、いるまでも誰でもいいから相談しろよ?


らんらんは自分の席から話しかけてくる。






『  うるさい  』








俺の事、なんにも知らないくせに。


みんなみんな、苦しめてるくせに。


綺麗ごといってんじゃねぇよ、
🎼 👑
っちょ、すちくんっっ!?


もうすぐ朝礼が始まる時間


教室から走って飛び出す。


いつの間にか涙が流れ落ちる。


ところどころで嗚咽をもらす。


誰にも、あいたくない。
🎼 📢
うぉっ…?!って……すちっ…!?


いるまちゃんにぶつかりそうになる。


さっと避けて声は気にせずに走る。


はやく、家に。


自分の居場所に。


俺だけの空間に。
🎼 📢
すちっ…!!何処いくんだよ…!!!
いるまちゃんは追いかけてくる。


バスケ部だから平均と比べれば走るのは速い。


追いつかれそうになって


また逃げて


いたちごっこ。


もうすぐ家に着く。


はいってしまえば


俺の勝ちなんだ。


そう思って勢いよく玄関の扉を開ける。


自分の部屋。


はやく。


カッター





はやく。


引き出しからカッターを取り出す。


刃を伸ばす。


腕を捲る。


包帯をとる。
🎼 📢
すち"っっ…!!
鍵をかけなかったからいるまちゃんは入ってきた。


カッターを持った俺。


腕には黒い線が引かれてる俺。


壊れている俺。


全てを一瞬で理解したであろういるまちゃん。

🎼 📢
カッター…下ろせ、



指示してきた。


別に命令される筋合いなどない。
🎼 🍵
うるさいッッ…!!!!



勢いよくいるまちゃんが掴んできた手を振り払う。


🎼 📢
っ"……!!



カッターの刃がいるまちゃんの頬をなぞる。


いるまちゃんの血を見て正気に戻る。


なにしてんだろ、俺。


なんで他の人傷つけてんの?


いるまちゃん、汚れちゃったよ?


価値、下がったよ?


俺のせいで、


全部俺のせいで。


🎼 🍵
……ご、め…っ…今日…帰って、くれ…る…?こ、れ…絆創膏っ…、



小さな絆創膏を渡す。


絶縁されてもおかしくはない。


🎼 📢
ごめん、またな、



部屋のドアをきちんと閉めているまちゃんは帰る。






『  たすけて  』







少しはそう思ったのに


誰も気づかないんだなぁ。


もう、実行しよう?


暇ちゃん…、


もう無理だよ。

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