🍵side
今日は人生最後の日。
暇ちゃんと対面して、俺たち初めての
『 青春 』
する。
初めて学校を休む。
親はもう会社に出かけている。
一応置き手紙はあるし、きっと大丈夫。
連絡が来ても、無視すればいい。
最後ぐらい、抗いたい。
赫翠駅。暇ちゃんとの待ち合わせ場所。
暇ちゃんから送られてきた写真だと
茶髪で
色白で
スタイル良くて
オシャレで
かっこいい人だった。
俺と違ってモテそうだよなぁ…。
なんて、そんな訳あるわけないのに。
名前を呼ばれて振り返る。
暇ちゃんは、写真で見るよりも
綺麗でかっこよかった。
暇ちゃんは俺のこと、なんでもしってる。
作り笑いが癖ってことも
リスカをしてしまってることも。
全部全部、俺の隅から隅まで
知ってる。
なんて、そっけなくいうけれど
優しさが滲み出てる。
なんか…いるまちゃんとにてるなぁ…
暇ちゃんを見てると、いるまちゃんと
たまに重なる。
多分、いるまちゃんが少し変わったら
暇ちゃんのようになるのだろう。
なんて想像を辞める。
今は学校のことを忘れて
家のことを忘れて
世界のこと、全部忘れて
暇ちゃんと楽しむ。
初めての青春をする。
自然と二人、手を繋ぐ。
もう離したくないから。
離れ離れは嫌だから。
心から信頼しあってる人を
手離したくないから。
あの後、カフェにいって自己紹介して
服屋見て暇ちゃんのスタイルを再確認して
カラオケ行って2人で夜明けと蛍歌って
ゲーセンで暇ちゃんは『幼なじみがサメ好きでさ』
とかいってサメの大きなぬいぐるみを頑張って取った。
俺も、なにか取ろうと思って探したけど
小さなくまのぬいぐるみと小さなコーヒーのぬいぐるみ
それだけしか取れなかった。
多分…クレーンゲーム向いてない…(
でも、暇ちゃんといる時間が楽しくて
何もかも、辛いこと忘れられた。
それが…暇ちゃんもだったらいいなぁって
そんなことを思った。
今でも強く握られた2人の手。
夜になれば、この2人だけ。
この世の中は暇ちゃんと俺だけになる。
そんな夜にゆっくりゆっくり
歩いていく。
外へと出ると田舎の風景。
周りは、家と田畑。
後ろを振り向くとこの田舎で唯一のショッピングモール
電車は1時間に1本。
バスなんかはあんまでてなくて
外に行くのは車が必須。
そんな田舎に住む、2人の生き辛い少年。
逃避行の旅を一日だけして
今、2人だけの世界に溶け込む。
暇ちゃんともっと早く会えてれば
こんなことにならなかったのかもね?
そうでしょ?神様。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。