📢side
学校に来るといつも通り緑の頭の奴。すちは机に伏せて寝ている。
ぐっすりだけどもうすぐ朝礼だから起こさねぇとな…。
眠そうな目をこすり起き上がるすち。まだ寝たいといわんばかりにこちらを見てくる。
あくびをしたすちは、水筒に入った水を飲む。冷たいから目が覚めるのだろうか。
みことが隣の俺を見て驚き、起きたすちをみて二度驚いた。
すちはいつも通り。少し笑顔に異変を感じるぐらいで特に何ともない。
別にすちのことだからなにもないのだろうけど。
👑side
学校に来ると、すちくんはカッターをカチカチさせて遊んでいた
すちくんのカッター遊びが危ないと思って注意する。
のんきそうな声を上げて否定するすちくん。
その笑顔はどこか、危なくて怖い。
カッターなんて一歩間違えたら自分を傷つけることができてしまう。
その一歩を踏み出してしまいそうな笑い方をするすちくん。
俺も一時期そうだったから。
すちくんにはそうなってほしくなくて。
どうやったら俺みたいにならないのか
どうやったら悩みを解消できるのか。
今の俺にはわからないものだらけだ。
🍵side
らんらんとこさめちゃんのいる教室。
二人よりも席の離れている俺は手を振るだけで会話はしなかった。
筆箱の中からカッターを取り出しカチカチといじる。
伸び縮みするカッターの刃をぼぅっと眺める。
もうすぐ刃の付け替えしないとなぁ…。
んぁ…眠い…。でもまだ安心できないし…。
らんらんとこさめちゃんは離れてるから人肌や気配を感じられない。
"誰か来ないかな"とちらっとドアのほうを向くとみことちゃんが
ひっそりと教室に入ってきた。
みこちゃんが少し驚いた顔をしてこちらを見ている。
何か驚くようなところあるっけ…?
あぁ…カッターか、なるほどね。
別にカッターは使い慣れてるから危なくはないんだけどなぁ…。
カチカチと刃を動かして本体にしまう。
そうだ、みこちゃんが来たから安心して寝れる…。
カッターを筆箱にしまいふわぁ、と欠伸をする。
机に伏せて寝る体制に入る。
ただ眠くてすぐに寝ることができた。
ずーっと練れて何事もなければいいんだけどなぁ…。
いつもの感じの声。誰だろ…夢…かなぁ…?
目をこすり体を起こす。
前の席にはいつのまにかいるまちゃんがいて
微笑んでこちらを見ている。
なんてそっけなく言うけれど、
起こしてくれるやさしさのあるいるまちゃん。
そんなことを思いながら水筒に入った抹茶を飲む。
少しは目が覚めればいいけどそんな気配はない。
みこちゃんが今更その事実に気づく。
いるまちゃんが困ったように苦笑いしてみこちゃんをみる。
いつも通りの笑顔で笑う。
こうしていれば周りからは嫌われたりしない。
ただ、演じるだけ。
🍵side
夜。
自分と向き合わされる時間。
みんなが寝ていく時間。
そんな時間に俺は机に向かって筆箱からカッターを取り出す。
今日は刃を付け替えてからにしよう。
引き出しから替えの刃をとり、今のカッターに付け替える。
部屋の光に照らされた刃はきらりと光る。
その刃は綺麗で美しい。
こんなに美しいものがこの世にあるんだなというぐらいに。
でも、美しいものもいつかは汚れる。
それならば、自分の手で汚してやろう。
汚れたものは価値などつかないのだから。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。